ドル円、154円付近に戻す 重要イベント前に様子見=NY為替概況
ドル円、154円付近に戻す 重要イベント前に様子見=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は東京時間に一時153円台半ばまで下落していたものの、NY時間にかけて買い戻され154円ちょうど付近に戻した。今週の重要イベントを前に全体的には様子見の雰囲気が広がっており、慎重な雰囲気もうかがえる。
今週はFOMC、日銀決定会合、週末には米雇用統計の発表が控えている。先週末にFRBが重要視するインフレ指標である6月のPCEデフレータが発表になったが、予想通りにインフレの落ち着きを示す内容となった。市場は9月のFRBの利下げ期待を変えていない。
今回のFOMCは据え置きが確実視されているものの、市場が期待している9月利下げに向けて何らかのヒントが出るか注目される。しかし、9月FOMCまでにあと2回、消費者物価指数(CPI)が確認できることから、利下げにオープンではあるものの、その可能性を強調はせず、データ次第の姿勢を示すのではとも見られている。
一方、日銀は国債購入減額のほかに、利上げを実施との見方が海外勢中心に根強い。短期金融市場でも6割程度で利上げを見込んでいる。ただ、エコノミストの利上げ予想は2割程度となっている。
ユーロドルは下値模索が続き、1.08ドルちょうど付近まで下落する場面も見られた。200日線を一時下回っていたが、やや買い戻しも入り、200日線および1.08ドル台は維持している。
ユーロドルは上値の重い展開が続いている。ECBは今月の理事会で9月利下げにコミットすることはなかったが、市場では9月の利下げ期待が根強い。ドイツを中心に当初の想定ほど景気回復が順調に進んでおらず、インフレよりも景気を重視する声も出始めている。そのような中で、市場ではユーロの見直し買いに一服感が広がっている模様。
ポンドドルはNY時間に入って下げが一服したものの、一時1.2805ドル付近まで下落するなど戻り売りが続いている。きょうの下げで21日線を下回る展開。
今週は重要イベントが目白押しの週だが、英中銀の金融政策委員会(MPC)も予定されている。今週にMPCが迫っても市場はなお見方を決め切れないでいる。委員の投票は僅差ではあるが利下げを打ち出すとの見方の一方、短期金融市場では、確率が五分五分となっており、どっちつかずの状況となっている。
もし、この状況で利下げを決めれば、ポンドは急落する可能性があるとの指摘も出ている。英中銀が今回利下げに踏み切れば、年内計3回に利下げが拡大するとの見方に繋がり、ポンドは圧迫されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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