FX/為替「ドル/円、米重要指標ウィークに突入 レンジブレイクなるか」 外為どっとコム トゥデイ 2024年6月3日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年6月3日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼31日(金)の為替相場
(1):中国製造業PMIは予想に反して低下
(2):ユーロ圏CPIは予想以上の伸び
(3):財務省 外国為替平衡操作の実施状況を発表
(4):PCEスーパーコアが鈍化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ISM製造業景況指数に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
31日(金)の為替相場
期間:31日(金)午前6時10分~1日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国製造業PMIは予想に反して低下
中国5月製造業PMIは49.5と予想(50.5)に反して前月(50.4)から低下。拡大・縮小の分岐点である50.0を3カ月ぶりに割り込んだ。
(2):ユーロ圏CPIは予想以上の伸び
ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+2.6%と市場予想(+2.5%)を上回り前月(+2.4%)から伸びが加速。食品やエネルギーなどを除いたコアHICP・速報値も前年比+2.9%と市場予想および前月(+2.7%)を上回る伸びとなった。
(3):財務省 外国為替平衡操作の実施状況を発表
本邦財務省は4月26日から5月29日の「外国為替平衡操作の実施状況」を発表。4月29日と5月1日に行ったと見られる円買い介入の規模は合計9兆7885億円だったことが明らかになった。
(4):PCEスーパーコアが鈍化
米4月個人消費支出(PCE)は前月比+0.2%と市場予想(+0.3%)を下回った。同PCE物価指数(デフレーター)は前月比+0.3%、前年比+2.7%でいずれも予想と一致。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前月比+0.2%、前年比+2.8%と予想通りだった。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)が「スーパーコア」として注目するエネルギーと住宅を除いた4月のPCEサービス物価指数は前月比+0.3%、前年比+3.4%と3月(+0.4%、+3.5%)から伸びが鈍化した。
31日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ISM製造業景況指数に注目
5月31日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇した。ユーロ/円につれ高して欧州市場で157.36円前後まで上昇。NY市場では、米5月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)の発表を受けて156.56円前後までドル売りに傾く場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに向けたドル買い観測で持ち直すと157円台を回復して取引を終えた。
ドル/円は5月22日以降1週間以上にわたり156-157円台で推移しており、このレンジをどちらに抜けるかが目先の焦点だろう。今週は本日の米5月ISM製造業景況指数を皮切りに7日の米5月雇用統計まで米国の重要経済指標が多数発表される。本日の米5月ISM製造業景況指数の市場予想は49.6となっており、前月の49.2からやや上昇するものの、分岐点である50.0は超えられないと見られている。インフレの先行指標に位置付けられる構成指数の仕入価格にも注目したい。こちらは前月の60.9から59.5へと低下すると予想されている。
注目の経済指標:ISM製造業景況指数
注目のイベント:
特になし
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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