FX/為替「ドル/円、「覆面介入」の余韻で神経質な値動き続く」 外為どっとコム トゥデイ 2024年4月30日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(月)の為替相場
(1):ドル/円34年振りの160円台へと急伸
(2):円買い介入と見られる動き
(3):ドル/円再び急落
(4):独CPIは横ばい
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:神経質な値動きが続く公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(月)の為替相場
期間:29日(月)午前7時00分~30日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ドル/円34年振りの160円台へと急伸
日本が昭和の日の祝日で薄商いの中、円が急落。ストップロスの誘発を狙った仕掛け的な円売りと見られ、ドル/円が1990年4月高値の160.20円付近へと急伸。ユーロ/円は1999年のユーロ発足後の最高値となる171.60円付近まで上昇した。豪ドル/円は2013年4月以来の104.95円前後まで、ポンド/円は2008年8月以来の200.52円前後までそれぞれ急騰した。
(2):円買い介入と見られる動き
159円台で推移していたドル/円が155円台へと急落。クロス円もつれて急反落した。日本政府・日銀による円買い介入が発動されたとの見方が出たものの、財務省の神田財務官はその後、介入について「いまはノーコメント」とした。
(3):ドル/円再び急落
神田財務官のコメント発表後に157円台へ戻していたドル/円が再び急落。一時155円台を割り込み154円台半ばまで下落した。ユーロ/円も高値からほぼ6円下落して165.60円台へ、豪ドル/円は101.30円台へ、ポンド/円は193.50円台へそれぞれ下落した。なお、その後神田財務官は再び取材に応じ「介入の有無について申し上げることはない」としながらも「投機による激しい異常とも言える変動が国民経済に与える影響を看過できない」「必要に応じて適切な対応をする」「介入かどうか申し上げないが24時間365日、平時であっても対応できる」などと述べた。
(4):独CPIは横ばい
独4月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+2.2%と市場予想(+2.3%)を下回り、前月から横ばいだった。欧州連合(EU)基準CPIは前年比+2.4%だった(予想、前回ともに+2.3%)。
29日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:神経質な値動きが続く公算
昨日のドル/円は日本の祝日で薄商いの中を乱高下した。仕掛け的な円売りが先行すると、わずか1分の間に158円台から160円台へと急伸。ところが、数時間後には一転して159円台半ばから155円台前半へと急落した。その後、一旦157円台に値を戻したものの、再び円買いが強まり154円台半ばまで下落。約6時間で5円以上も上下する激しい値動きとなった。財務省は介入の有無について「ノーコメント」としたが、市場では事実を公表せずに行う「覆面介入」が行われたとの見方が有力となっている。
ドル/円は本日も「覆面介入」の余韻で神経質な値動きが続く公算が大きい。昨日の値動きから155円付近の下値は堅いと見るが、2度目の円買い介入が発動された可能性が高い157円台前半では上値が重くなりそうだ。なお、本日のNY市場では米1-3月期雇用コスト指数が発表される。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を前に、賃金インフレの動向を示す雇用コスト指数に注目したい。
注目の経済指標:米雇用コスト指数
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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