FX/為替「ドル/円、155円が介入の「レッドライン」との見方強まる」 外為どっとコム トゥデイ 2024年4月18日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月18日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼17日(水)の為替相場
(1):日本 3カ月ぶりの貿易黒字
(2):英CPI予想ほど鈍化せず
(3):日米韓財務相会談
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:神経質な値動きが続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(水)の為替相場
期間:17日(水)午前6時10分~18日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本 3カ月ぶりの貿易黒字
日本3月貿易収支(通関ベース)は3665億円の黒字と、黒字額は市場予想(3455億円)を僅かに上回った。貿易黒字は3カ月ぶり。円安を追い風に輸出が4カ月連続でプラスとなった。
(2):英CPI予想ほど鈍化せず
英3月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.2%と市場予想(+3.1%)ほどには伸びが鈍化しなかった(前回+3.4%)。食品やエネルギーなどを除いたコアCPIも前年比+4.2%と市場予想(+4.1%)を上回った(前回+4.5%)。その後、英中銀(BOE)のベイリー総裁はインフレについて「来月の数字はかなり強力な低下を示すと見ている」との見解を示し「英国には独特の家庭用エネルギー料金設定制度があるからだ」と説明した。
(3):日米韓財務相会談
日米韓3カ国の財務相がワシントンで会談。「最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存の G20 のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」とする共同声明を発表した。これを受けて円を買い戻す動きが強まった。その後、鈴木財務相はイエレン米財務長官と個別に会談したことも明らかにした上で「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましく、行き過ぎた動きについては適切に対応するという政府の今の立場を説明した」「為替の動向をめぐって日米で緊密に意思疎通を図っていくことを確認した」と述べた。
17日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:神経質な値動きが続きそう
昨日のドル/円は154円台前半へと小反落。日米韓財務相が円安およびウォン安に関する深刻な懸念を認識したとする共同声明を発表したことで一時154.15円前後まで下落した。声明発表前は34年ぶり高値圏の154.60-70円台で推移していた。鈴木財務相はまた、イエレン米財務長官と個別に会談したことを明らかにしており、円買い介入を巡る日本の立場を米国側に説明した模様だ。
1ドル155円が日本の介入を巡る「レッドライン」との見方が広がっており、ドル/円相場は本日も神経質な値動きが続きそうだ。154円台後半では介入への警戒感から伸び悩む公算が大きい一方、154円台を割り込めば、介入待ちでドルの手当てが遅れていた向きなどから買いが入ると見られ下げ渋るだろう。
注目の経済指標:豪雇用統計
注目のイベント:FRB高官発言
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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