【これからの見通し】ドル円151円台、上昇続くのか米FOMCに注目、その前に英物価指標もチェック
【これからの見通し】ドル円151円台、上昇続くのか米FOMCに注目、その前に英物価指標もチェック
春分の日のなか東京市場不在のアジア市場で、ドル円は昨年11月以来の151円台で取引されている。日銀の緩和的利上げ発表が円安を招来したことに加えて、米FOMCでの利下げ開始時期後ずれ観測が、日米金利差の恩恵を享受する期間がまだ続くとの見方につながっているようだ。
きょう、最注目となる米FOMCについて、政策金利据え置きが見込まれている。その中で注目されているのがメンバーの金利見通し(ドット・プロット)となっている。昨今の根強いインフレ動向を受けて、年内3回の利下げ観測が、2回に減少するのかどうかがポイントとなりそうだ。その場合、再びドル円の上値追いが開始することが見込まれる。昨年や一昨年の高値151.90台を超えてくるのかどうか注意したいところだ。
それに先立って、ロンドン朝方には一連の英物価統計が発表される。注目は2月消費者物価指数の動向となろう。市場コンセンサス予想は前年比が+3.5%と前回の+4.0%から鈍化する見込み。コア前年比も前回の+5.1%から+4.6%へと鈍化する見込みだ。また、前月比については+0.7%と前回の+0.6%から若干の伸び加速が予想されている。想定以上の早さでインフレが鈍化するようだと、英中銀の利下げ開始時期の観測が前倒しされて、ポンド売りにつながることを想定しておきたい。
その他の指標は、ドイツ生産者物価指数(2月)トルコ消費者信頼感指数(3月)南ア消費者物価指数(2月)南ア小売売上高(1月)米MBA住宅ローン申請指数(03/09 - 03/15)ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(3月)ブラジル中銀政策金利(3月)など。
発言イベント関連では、パウエルFRB議長の会見が注目される。市場の金利観測が偏っているとみられる場合、それを是正する方向に発言を行う可能性があり注意したい。ただ、足元での利下げ開始時期の後ずれ観測が、昨年後半の過度な早期利下げ観測の修正であるとみるならば、現状の市場観測はそれほど偏っていないとの見方もできそうだが、どうか。
その他には、ラガルドECB総裁、レーンECBチーフエコノミスト、デコス・スペイン中銀総裁、シュナーベルECB理事などがECB年次イベントで講演やスピーチを行う予定。ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁などが討論会に参加する予定。ECB当局者発言が多く予定されており、米英欧、各中銀の利下げ観測の差異をチェックしたい。また、カナダ中銀議事録(3月6日開催分)、米週間石油在庫統計などが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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