パウエル発言を受けドル買い ドル円は151円台にしっかり乗せる=NY為替概況
パウエル発言を受けドル買い ドル円は151円台にしっかり乗せる=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル買いが優勢となりドル円は151円台にしっかりと乗せて来ている。午後にパウエルFRB議長のIMFでの討論会が伝わったが、「十分な引き締めを行ったと確信していない」と発言し、米株式市場はネガティブな反応を示している。議長は「適切となれば、躊躇なく追加利上げを行う」とも述べていた。
先日のFOMCを受けて市場にはハト派な雰囲気も広がっていたが、きょうの議長の発言はその雰囲気に冷や水を浴びせた格好となった。この日の米30年債入札を受けて米国債利回りが上げ幅を拡大したこともドルの買い戻しをサポートした。
目先は10月31日の年初来高値151.70円付近が上値メドとして意識される。
きょうのユーロドルはNY時間に入って買い戻しが見られ、1.07ドル台を再び回復している。前日のNY時間でも同様の動きが見られていたが、きょうも方向感のない展開となっているようだ。
ユーロドルは1.0660ドル付近に伸び悩んでいる。ここ数日、概ね1.0650ドルと1.07ドルの間のレンジから抜け出せず、次のアクションを待っている状態だった。上記のレベルのどちらかをブレイクすれば、その方向への拡大への扉が開かれるが、きょうの動きからすれば、下を試しそうな気配も出ている。
ポンドドルは1.22ドル台前半に下落。今週に入って上値の重い展開が続き、先週の米雇用統計後の上げの大半を戻している。本日の21日線が1.22ドルちょうど付近に来ているが、その水準が目先の下値メドとして意識される。
市場では、英中銀は利上げキャンペーンをすでに終了し、次の行動は利下げとの見方が台頭している。英インフレはまだ米国やユーロ圏と比較するとかなり高い水準にあるが、景気の先行き不透明感も台頭していることから、英中銀の追加利上げはないと見ているようだ。英中銀は10月分の英消費者物価指数(CPI)は5%を下回ると見ている。
一方、明日は第3四半期の英GDP速報値が発表されるが、前期比0.1%のマイナス成長が見込まれている。基調的なモメンタム低下といくつかの一過性要因が足かせとなると見られているようだ。その場合、9月の月次GDPは変わらずか0.1%減となる。9月の英PMIが縮小領域に留まり、小売売上高が大幅に減少していたことを考えれば、妥当な予想だという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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