ドル売りは長続きしない いずれ安全資産へ資金が流入=NY為替
NY時間の終盤に入ってドル円は134円台半ばでの推移となっている。200日線が134.50円付近に来ており、現在はその水準での推移となっている。来週以降、200日線がサポートされるか、それともブレイクし、130円を目指す展開になるか注目される。
きょうのNY為替市場でドルは上に往って来いの展開が見られた。この日発表になった米雇用統計が予想以上に強い内容となったことで朝方はドル買い戻しが強まった。しかし、動きが落ち着くと、ドルは急速に戻り売りを強めている。
ドル売りの明確な材料は見当たらないが、米雇用統計を受けて短期金融市場では、ターミナルレート(最終到達点)の織り込みは前日の5.00%以下から5.00ー5.25%水準に上昇させている。しかし、12月FOMCでの0.50%ポイント利上げの見方までは変えておらず、75%程度の確率を維持している状況。
来年にかけて米労働市場は悪化が確実視されている中で、この日の数字は労働市場の強さのピークを示しているとの声も聞かれる。米大手銀からは、来年に見込まれる失業者急増に備えるべきとの声も出ていた。
結局、ドル売りが続いている格好となっているが、市場ではドル売りは長続きしないと見ている向きが多いのも事実。いずれ安全資産へ資金が流入し、ドルは上昇を再開する可能性が高いという。
米国債利回りの上昇は恐らくピークに達し、FRBの利上げサイクルが終了に接近していることは間違いなさそう。しかし、これが必ずしもドルにとって大きな転換点になるとは考えておらず、来年の世界経済は景気後退局面に陥り、市場のリスクセンチメントが悪化すれば、ドルは再び恩恵を受けるはずだという。
USD/JPY 134.55 EUR/USD 1.0520 GBP/USD 1.2273
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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