リスク回避が強まり総じて円高に、ECB見直しは想定内の内容でユーロは堅調=ロンドン為替概況
リスク回避が強まり総じて円高に、ECB見直しは想定内の内容でユーロは堅調=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク回避の動きが強まり、全般に円高の動きが広がっている。新型コロナウイルス変異種が世界的に感染を拡大させており、新たな行動制限措置が警戒されている。欧州株は米株先物とともに大幅安となっている。ドル円は110円台割れ、ポンド円は152円台から151円ちょうど近辺へ、豪ドル円は82円台割れから81.50近辺へと下落している。ドル相場も対ユーロを除いて、全般にドル買い方向に傾斜している。そのなかで注目されたECBの金融政策の戦略見直しは、中期的にシンメトリカルな2%インフレ目標へと変更された。また、気候変動を政策に加味するとした。市場の想定内の内容だった。ユーロ相場は事前に買い戻しの流れが優勢で、ECB公表後も堅調に推移。ユーロ円はリスク回避とともに129円台へ下落したが、130円近辺へと下げ渋っている。対ドル1.18台半ばへ、対ポンドでは0.86近辺へと買われている。
ドル円は109円台後半での取引。東京朝方に110.70レベルの高値をつけたあとは売り一色となっている。ロンドン市場では110円台を割り込むと、安値を109.72レベルまで広げている。欧州株や米株先物が大幅安となっており、リスク回避の動きを広げた。新型コロナウイルス変異種の感染拡大が懸念材料。
ユーロドルは1.18台前半での取引。東京市場では1.17台後半で揉み合っていたが、ロンドン時間に入ると買い戻しの動きが広がっている。1.18台乗せから高値を1.1846レベルまで伸ばしている。ポンド円はリスク回避圧力に押されて129.63レベルまで一時下落したが、その後は130円近辺へと下げ渋っている。ユーロポンドは0.85台後半から0.86近辺へと上昇。ECBの金融政策の戦略見直しは、中期的にシンメトリカルな2%インフレ目標へと変更された。また、気候変動を政策に加味するとした。市場の想定内の内容だった。ユーロ相場は底堅い値動きを維持している。
ポンドドルは1.37台後半での取引。1.38台が重くなっており、リスク回避動向のなかで上値重く推移。一時1.3753レベルに安値を広げた。ポンド円は軟調。152円台割れから151円ちょうど近辺へと下落している。対ユーロでもポンド売りが継続した。欧州株が大幅安となっており、市場全般にリスク回避ムードが広がっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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