FOMC後にドル買い広がる
FOMC後にドル買い広がる
ドットプロットで2023年末までの2回の利上げを見込む動きに
【東京市場】FOMCをにらみ、様子見ムード
FOMCをに控えて様子見ムードが広がる展開となった。
ドル円の朝からの値幅はわずか9銭にとどまり、ほぼ膠着状態に。
昨日1.21台前半で振幅を見せたユーロドルは1.2120台を中心とした推移。
午前中は1.2117を付けるなど若干ユーロ売りドル買いの動きも、その後値を戻し、午後には1.2130前後を付けている。
昨日1.2150手前から1.2100手前に落とした後、NY市場昼からのもみ合いの中で現水準前後で上値が抑えられており、ごく短期的にはポイントとなるところ。
ユーロ円も午前中の133円41銭前後から133円50銭台に。
【ロンドン市場】ややドル売り
ドル円は110円を一時割り込む動き。ドル売りの動きが若干優勢となった。
FOMCを前にした調整の動きなどが背景に。
中国指標の弱さもドル売り円買いにつながったと見られる。
ポンドはしっかりの展開。ドル売りの動きに加え
英消費者物価指数の強い数字を受けてポンド買いの流れに。
ポンドドルは1.4080前後から1.4120台まで上昇。
【NY市場】ドットプロットは2023年末までの2回の利上げを示唆
FOMCを受けてドル買いが一気に広がった。
2023年末時点で利上げ派が多数派になるところまでは想定内と見られたが、
中央値は2023年末までに2回の利上げとなっており、
予想以上の前向き姿勢という印象に。
一方で、パウエル議長の会見では慎重姿勢が目立った、
物価上昇は一時的との従来の見方を繰り返したことに加え、
ドットプロットについて、割り引いてみるべきとも発言している。
ドル円は110円70銭台まで。
ドットプロットを確認してドル高が進み、パウエル会見後もドル買いが強まる格好に。
豪ドルやNZドルなどは対円で値を落とす格好に。
ドル円以上に資源国・新興国通貨に対するドル高が勝る格好に。
【本日の見通し】ドル買い基調継続へ
ドル高の流れが一気に広がった。
ドットプロットでの2023年末時点での二回の利上げ見通しがかなりのインパクトに。
また2022年末時点でも7名が利上げを見込んでおり、
利上げ時期の前倒しと、また利上げ前には終了しているはずの量的緩和の縮小開始(テーパリング)
期待の高まりがドル買いに。
テーパリングのペースはある程度ゆっくりとなることが見込まれている分
比較的早めのスタートも十分にありそう。
8月ジャクソンホール会議への期待が改めて高まった格好。
ドル円は110円台半ばあたりがしっかりすると111円台に向けた動きを今日にも勧める可能性がありそう。
【本日の戦略】押し目買い
110円台でのレンジを固めてから上をトライする流れを期待。
このまま上昇の可能性もあるが、押し目を少し待ちたいところ。
110円台半ば前後がしっかりしてくると買いに回りたい。
デイトレは早めに買いに回る格好。下がるとすぐにやめて回数を増やす。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/16 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.08 1.2126 133.49
高値 110.72 1.2135 133.59
安値 109.81 1.1994 132.69
終値 110.71 1.1995 132.79
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《6/16 水曜日の主要株式指数》
日経 29291.01 -150.29
DOW 34033.67 -265.66
S&P 4223.70 -22.89
Nasdaq 14039.68 -33.18
FTSE 7184.95 +12.47
DAX 15710.57 -18.95
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《6/16 水曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=72.15(+0.03 +0.04%)
NY金先物8月限(COMEX)(終値)
1オンス=1861.40(+5.00 +0.27%)
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《6/16 水曜日に発表された主な経済指標》
【NZ】
経常収支(2021年第1四半期)07:45
結果 -28.95億NZドル
予想 -24.7億NZドル 前回 -26.95億NZドル(経常収支)
【日本】
機械受注(4月)08:50
結果 0.6%
予想 2.5% 前回 3.7%(前月比)
結果 6.5%
予想 8.0% 前回 -2.0%(前年比)
通関ベース貿易収支(5月)08:50
結果 -1871.0億円
予想 -770.0億円 前回 2531.0億円(2553.0億円から修正)(通関ベース貿易収支)
結果 431.0億円
予想 2418.0億円 前回 652.0億円(通関ベース貿易収支(季調済))
【英国】
消費者物価指数(5月)15:00
結果 0.6%
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
結果 2.1%
予想 1.8% 前回 1.5%(前年比)
結果 2.0%
予想 1.5% 前回 1.3%(コア・前年比)
生産者物価指数(5月)15:00
結果 1.1%
予想 1.0% 前回 1.2%(仕入・前月比)
結果 10.7%
予想 10.6% 前回 10.0%(9.9%から修正)(仕入・前年比)
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.4%(出荷・前月比)
結果 4.6%
予想 4.5% 前回 4.0%(3.9%から修正)(出荷・前年比)
小売物価指数(5月)15:00
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 1.4%(前月比)
結果 3.3%
予想 3.3% 前回 2.9%(前年比)
結果 3.4%
予想 3.6% 前回 3.2%(前年比・除くモーゲージ利払い)
【中国】
鉱工業生産(5月)16:00
結果 8.8%
予想 9.2% 前回 9.8%(前年比)
結果 17.8%
予想 18.0% 前回 20.3%(年初来・前年比)
小売売上高(5月)16:00
結果 12.4%
予想 14.0% 前回 17.7%(前年比)
結果 25.7%
予想 26.3% 前回 29.6%(年初来・前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(06/05 – 06/11)20:00
結果 4.2%
予想 N/A 前回 -3.1%(前週比)
住宅着工件数(5月)21:30
結果 157.2万件
予想 163.0万件 前回 151.7万件(156.9万件から修正)(住宅着工件数)
結果 3.6%
予想 3.9% 前回 -12.1%(-9.5%から修正)(住宅着工件数(前月比))
結果 168.1万件
予想 173.0万件 前回 173.3万件(176.0万件から修正)(住宅建築許可件数)
結果 -3.0%
予想 -0.2% 前回 -1.3%(0.3%から修正)(住宅建築許可件数(前月比))
輸入物価指数(5月)21:30
結果 1.1%
予想 0.8% 前回 0.8%(0.7%から修正)(前月比)
結果 11.3%
予想 10.9% 前回 10.8%(10.6%から修正)(前年比)
輸出物価指数(5月)21:30
結果 2.2%
予想 0.8% 前回 1.1%(0.8%から修正)(前月比)
FRB政策金利 17日3:00
結果 0.0%-0.25%
予想 0.0%-0.25% 現行 0.0%-0.25%
【カナダ】
消費者物価指数(5月)21:30
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.5%(前月比)
結果 3.6%
予想 3.5% 前回 3.4%(前年比)
【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 17日6:30
予想 4.25% 現行 3.50%
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《6/15 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*独Ifo
2021年独GDP成長見通しを3.7%から3.3%に引き下げ。
供給面のボトルネックが要因。
2022年独GDP成長見通しを3.2%から4.3%に引き上げ。
独インフレ率は2021年に2.6%に急上昇も、2022年は1.9%に緩和と予想。
独経常黒字は2020年の7%から、2021年は5.8%、2022年は4.9%へと縮小。
*ECB
銀行のレバレッジ比率緩和措置を9カ月延長へ。
(ブルームバーグ)
【米国】
FOMC経済見通し()は3月時点
*実質GDP
21年 7.0%(6.5%)
22年 3.3%(3.3%)
23年 2.4%(2.2%)
長期 1.8%(1.8%)
*失業率
21年 4.5%(4.5%)
22年 3.8%(3.9%)
23年 3.5%(3.5%)
長期 4.0%(4.0%)
*PCE
21年 3.4%(2.4%)
22年 2.1%(2.0%)
23年 2.2%(2.1%)
長期 2.0%(2.0%)
*PCEコア
21年 3.0%(2.2%)
22年 2.1%(2.0%)
23年 2.1%(2.1%)
FOMCメンバー金利見通し(ドット・プロット)
2022年末
0.125% 11人
0.375% 5人
0.625% 2人
2023年末
0.125% 5人
0.375% 2人
0.625% 3人
0.875% 3人
1.125% 3人
1.625% 2人
*2023年の中央値は0.625%
FOMC声明
・1200億ドルの資産購入ペースを維持。
FRB
FRBは超過準備への付利を0.10%から0.15%に引き上げ。
パウエル議長
経済指標は力強さを持続。
見通しに対するリスクは残る。
失業率は労働力不足を過小評価。
労働市場の改善継続を見込む。
インフレは顕著に上昇。高水準継続。
個人消費の回復がインフレ圧力を高めているとみている。
しばらくの間、2%超のインフレ達成を目指す。
解除の時が来ても、かなり緩和的な政策続く。
債券購入を調整する前に事前通知する。
非常に力強い労働市場への道を進んでいると確信。
労働供給がトレンドを上回らないと考える理由はない。
より多くのデータを見る必要。
インフレ上昇は一時的な可能性が高い。
今後数か月で供給の増加が見られると予想。
今回は議論することについて議論。
特定の年の利上げが適切かについては協議しなかった。
ドット・プロットは割り引いて見るべき。
次回会合から進展具合の評価を始める。
利上げはFOMCの焦点ではない。
バランスシート調整には多くの情報を与えたい。
一段と顕著な進展にはかなり遠い。
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《本日予定されている主な経済指標》
【NZ】
GDP(第1四半期)7:45
予想 0.5% 前回 -1.0%(前期比)
予想 0.9% 前回 -0.9%(前年比)
【豪州】
雇用者数(5月)10:30
予想 3.00万人 前回 -3.06万人
失業率(5月)10:30
予想 5.5% 前回 5.5%
【スイス】
スイス中銀政策金利 16:30
予想 -0.75% 現行 -0.75%
【香港】
失業率(5月)17:30
予想 6.2% 前回 6.4%
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(5月)18:00
予想 2.0% 前回 1.6%(前年比)
予想 0.9% 前回 0.9%(コア・前年比)
【トルコ】
トルコ中銀政策金利 20:00
予想 19.0% 現行 19.0%
【南アフリカ】
実質小売売上高(4月)20:00
予想 99.7% 前回 -2.5%(前年比)
【米国】
フィラデルフィア連銀景況指数(6月) 21:30
予想 30.5 前回 31.5
新規失業保険申請件数(12日までの週) 21:30
予想 36.0万件 前回 37.6万件(前週比)
景気先行指数(5月)23:00
予想 1.3% 前回 1.6%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員