ドル円110円台回復、米債利回り上昇など好感
ドル円110円台回復、米債利回り上昇など好感
ユーロドルは比較的しっかり
ポンドは一時値を落とす、対EUとの北アイルランドでの対立が懸念材料に
【東京市場】中国、香港など休場で動き乏しい
豪州、中国、香港が休場で取引参加者が少ないこともあり、比較的狭いレンジでのもみ合いが続いた。
ドル円は先週末の海外市場で109円台後半まで上昇した流れが継続し、下値しっかり感が強い展開となったが、上値も限定的なものにとどまった。
週末のG7で中国への対抗姿勢がしっかりと示されたことを受けて、
週明けの市場でオフショア人民元が軟調(中国は祝日で、オンショア人民元取引は休場)。
先週末の8.3940前後から昼前に8.4090前後までドル高元安が進み、午後は同水準でのもみ合いとなった。
対円ではドル円のしっかりした動きもあって朝方17円16銭前後を付けたが、
その後17円12銭前後へ値を落としている。
【ロンドン市場】ポンド売りが一時優勢に
英国がロックダウンの完全解除を当初予定の6月21日から4週間程度延長するとの報道を受けてポンド売りの動き。
G7の場で英国とEUとの北アイルランド問題での対立も報じられており
ポンド売りにつながった格好。
もっともその後いったん買い戻しが入る展開に。
ドル円は109円台後半での推移が続いた。
【NY市場】ドル円110円台を回復
ドル円は110円台を回復。米10年債利回りが上昇。1.50%前後を付ける中でドル買いの動きが広がった。
FOMC待ちの流れの中で、動き自体は落ち着いているが、じりじりとした上昇の中で110円台を回復。
その後は110円ちょうど前後での推移が続いた。
ロンドン市場でドル売りが強まったユーロドルは、朝方はその流れが続き1.2130台まで上昇も
その後はドル買いに抑えて1.2110台に。
【本日の見通し】FOMCをにらむ展開継続
FOMCを前に積極的な取引を手控える流れは継続。
ドル円は下値しっかり感が強く、110円台を回復もここからの買いは厳しそうで
110円ちょうど前後での推移が当面続くか。
FOMCでは2023年末までの利上げ見通しが大勢になりそう。
こうした動きが市場のテーパリング開始時期も早まるのではとの期待が広がっている。
2022年末時点での利上げ見通しも大きく増えているようだとドルが急激に上昇する可能性もあり
下がったところではドル買いが入る流れか。
【本日の戦略】押し目買い
流れ的には押し目買いも、明日夜のFOMCを前に無理は禁物。
109円台後半でゆっくり待つ格好か。
デイトレは110円前後のレンジでの回転、こちらも買いからが入りやすい。
109円台半ば割れはいったんストップの流れ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/14 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.65 1.2115 132.77
高値 110.10 1.2130 133.44
安値 109.61 1.2094 132.65
終値 110.07 1.2120 133.40
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《6/14 月曜日の主要株式指数》
日経 29161.80 +213.07
DOW 34393.75 -85.85
S&P 4255.15 +7.71
Nasdaq 14174.14 +104.72
FTSE 7146.68 +12.62
DAX 15673.64 -19.63
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《6/14 月曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=70.88(-0.03 -0.04%)
NY金先物8月限(COMEX)(終値)
1オンス=1865.90(-13.70 -0.73%)
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《6/14 月曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産(確報値)(4月)13:30
結果 2.9%
予想 前回 2.5%(前月比)
結果 15.8%
予想 前回 15.4%(前年比)
結果 1.1%
予想 前回 5.6%(設備稼働率・前月比)
【インド】
卸売物価指数(5月)15:30
結果 12.94%
予想 13.4% 前回 10.49%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)18:00
結果 0.8%
予想 0.4% 前回 0.4%(0.1%から修正)(前月比)
結果 39.3%
予想 37.4% 前回 11.5%(10.9%から修正)(前年比)
【カナダ】
製造業売上高(4月)21:30
結果 -2.1%
予想 -1.1% 前回 4.0%(3.5%から修正)(前月比)
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《6/14 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
PEPP購入の終了について議論することは時期尚早。
戦略見直しについての結果発表は夏の終わりまでにしたい。
現在は回復途上、パンデミック前の水準に向かっている。
2022年第1四半期にはパンデミック前の水準に戻る見込み。
ECBは政策サポートの条件を提供してきた。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
物価の上昇は次第に賃金の上昇を導くだろう。
インフレを警戒、必要であれば行動を。
ECBはインフレで危険な領域には入っていない。
*シムカス・リトアニア中銀総裁
PEPP購入の終了について語ることは時期尚早。
9月の経済予測次第ではPEPPについて議論も。
*ビルドワドガロー仏中銀総裁
ECBの刺激策は少なくともFRBと同期間になるだろう。
仏フィガロ紙でのインタビュー。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
第3次産業活動指数(4月)13:30
予想 -0.6% 前回 1.1%(前月比)
【英国】
ILO失業率(4月)15:00
予想 4.7% 前回 4.8%(3カ月)
失業率(5月)15:00
予想 N/A 前回 7.2%
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(5月)15:00
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.5%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・確報値(5月)15:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.4% 前回 2.4%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(4月)18:00
予想 N/A 前回 158.0億ユーロ(季調前)
予想 150.0億ユーロ 前回 130.0億ユーロ(季調済)
【香港】
鉱工業生産指数(第1四半期)17:30
予想 N/A 前回 -6.0%(前年比)
生産者物価指数(第1四半期)17:30
予想 N/A 前回 2.9%(前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(5月)21:15
予想 27.75万件 前回 26.86万件
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)21:30
予想 22.0 前回 24.3
生産者物価指数(5月)21:30
予想 0.5% 前回 0.6%(前月比)
予想 6.2% 前回 6.2%(前年比)
予想 0.5% 前回 0.7%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 4.8% 前回 4.1%(食品エネルギー除くコア・前年比)
小売売上高(5月)21:30
予想 -0.6% 前回 0.0%(前月比)
予想 0.4% 前回 -0.8%(自動車除くコア・前月比)
設備稼働率(5月)22:15
予想 75.1% 前回 74.6%(前月比)
鉱工業生産指数(5月)22:15
予想 0.6% 前回 0.5%(前月比)
企業在庫(4月)23:00
予想 -0.1% 前回 0.3%(前月比)
対米証券投資(4月)16日5:00
予想 N/A 前回 2622億ドル
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員