【これからの見通し】ドル相場の方向性探る展開、米指標と米債動向にらんで
【これからの見通し】ドル相場の方向性探る展開、米指標と米債動向にらんで
昨日はドル相場が反発した。ユーロドルが1.22台割れ、ドル円は109円台乗せなど。今日の東京市場でも午前の取引ではその延長線上の動きだった。午後にはドル買いは一服しており、このあとのロンドン・NY市場待ちのムードとなっている。
4月後半以降、5月相場を通してドル安の流れが基本線となっている。ドル指数をみると、21日線がしっかりとしたレジスタンス水準となっており、直近では10日線もレジスタンスとして機能している。ドル円相場だけをみると堅調な流れにみえるのだが、ユーロドル、ポンドドルなど欧州通貨に対しては、かなりドル売り圧力が根強い。
米経済にとっては一時ほどのインフレ警戒感はみられなくなっている。FRB当局者らが、インフレ上昇について一時的との見方を繰り返し発信しており、市場金利の上昇を抑制することに躍起だ。
米経済の急速な回復は現実のものであり、きょうの米GDP改定値(第1四半期) にも、そのような状況が具現化する見込みとなっている。ただ、第2四半期以降については、まだ不透明感が高いことも事実だ。消費マインドの熱狂が持続するのか、新型コロナ変異種の影響はどうか、ワクチン接種について米国民の一定数が拒否していることがリスクにはならないのか、など。
まずは、この後の一連の米経済統計で直近の数字の回復度合いを確認したいところだ。米耐久財受注・速報値(4月)、米実質GDP・改定値(第1四半期) とその関連指標、米新規失業保険申請件数(22日までの週)、米中古住宅販売成約指数(4月)などが発表される。
発言イベント関連では、デコス・スペイン中銀総裁、デギンドスECB副総裁、ブリハ英中銀委員、バイトマン独連銀総裁、シュナーベルECB理事などの講演やイベント参加が予定されている。米7年債入札(620億ドル)が実施される。米主要企業決算発表は、デル、セールスフォース、ギャップなど。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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