ドル売り円売りの流れ、ドル円は一時107円台半ば割れ
ドル売り円売りの流れ、ドル円は一時107円台半ば割れ
ユーロ、対ドル、対円で買われる
ユーロ圏及びフランスPMIの好結果など材料に
【東京市場】ドル円は107円台後半での推移続く
ドル円は107円台後半での推移がつづいた。朝方米10年債利回りが1.54%前後まで低下したことなどを受けて、
107円81銭まで値を落とす場面も、ドル売り円買いは続かず、すぐに買いが入る展開に。
もっとも上値も朝につけた108円ちょうどが重く、その後は108円手前までと限定的なものにとどまっている。
バイデン政権によるキャピタルゲイン課税の最高税率引き上げ方針などの影響を見極めたいとの思惑や、
週末を前に積極的な取引を手控える動きなどから、ドル円は大きな動意が見られないままとなった。
【ロンドン市場】ユーロ買いドル売り
ユーロ買いドル売りの動きが優勢に。ユーロドルは1.2020台から1.2060台へ。
朝からユーロが買われる展開で、ユーロ円も129円70銭台から130円10銭台に。
ユーロ圏やフランスのPMIが好結果となりユーロ買いを誘った面も。
ドル円は午前中もみ合いに終始し、107円90銭を挟んでのもみ合いに。
その後NY勢が入り始める時間帯になってドル売りが強まり、ユーロドルは1.2070へさらに上昇。
ドル全面安の流れでドル円も値を落とした。
【NY市場】朝のドル売りから一転して円売り
ロンドン午後のドル売りの流れからドル円は107円50銭割れまで。
ユーロドルが1.2075を付ける動きとなったが、
その後米株の買い戻しや米債利回りの反発もあってドルの買い戻しが入り、
ユーロドルは1.2050割れへ。
ドル円も強く反発し108円15銭前後まで上値を伸ばした。
ユーロ円に買い戻しが入り、129円80銭割れからロンドン午前の高値を超えて
130円台半ば超えとなるなど、円売りの動きも優勢に。
ドル円は108円台では売りが出て、107円90銭台に落とすと、NY午後は108円ちょうどがやや重くなっていた。
【本日の見通し】方向性探る展開続く、ドル安リスクがやや優勢に
方向性を探る展開が続いている。
今月に入って米指標が強めに出る中で上値が重くなったことから、
ドル売り方向のリスクがやや優勢という印象。
先週末一時107円台半ば割れを付けたこともあり、下方向を意識する展開に。
ただ、その後108円台を一時戻したように、下値でのドル売りにも慎重。
ドル円は107円台後半から108円台前半のレンジを中心に
方向性を探る展開が続く。
今週はFOMCもあり、その手前で積極的な取引をやりにくい面も。
金融政策の現状維持が確定的で、声明も前回踏襲と見られるが
先週のカナダ中銀の意外ともいえる強気な姿勢もあって、やや警戒感。
ユーロドルは1.20台でしっかりとなったあと、上を試す展開に。
今後のワクチン接種の進展で、先行する米、英を追いかけるとの期待もあって
買いが入りやすくなっている面も。
【本日の戦略】ドル円は戻り売りか
ドル円はどちらの方向を強く意識するか。
どちらかというと下方向のリスクを意識しており、
108円台前半を売りで回ってみたいという印象。
ただ、中長期的な流れはまだ上と見ており、
108円20銭台をしっかり付けるようだとストップで、状況を再確認。
デイトレは方向性を強く意識するよりもレンジを決めての回転狙い
利益確定、ストップともに持ちすぎずという印象。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《4/23 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 107.97 1.2015 129.73
高値 108.15 1.2100 130.56
安値 107.48 1.2013 129.59
終値 107.88 1.2097 130.49
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《4/23 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29020.63 -167.54
DOW 34043.49 +227.59
S&P 4180.17 +45.19
Nasdaq 14016.81 +198.40
FTSE 6938.56 +0.32
DAX 15279.62 -40.90
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《4/23 金曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=62.14(+0.71 +1.16%)
NY金先物6月限(COMEX)(終値)
1オンス=1777.80(-4.20 -0.24%)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《4/23 金曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
GfK消費者信頼感調査(4月)08:01
結果 -15.0
予想 -12.0 前回 -16.0(GfK消費者信頼感調査)
公共部門ネット負債(3月)15:00
結果 273.0億ポンド
予想 213.0億ポンド 前回 153.0億ポンド(184.0億ポンドから修正)
小売売上高(3月)15:00
結果 5.4%
予想 1.5% 前回 2.2%(2.1%から修正)(前月比)
結果 7.2%
予想 3.5% 前回 -3.6%(-3.7%から修正)(前年比)
結果 4.9%
予想 2.0% 前回 2.5%(2.4%から修正)(除自動車燃料・前月比)
結果 7.9%
予想 4.5% 前回 -1.0%(-1.1%から修正)(除自動車燃料・前年比)
製造業PMI(速報・購買担当者景気指数)(4月)17:30
結果 60.7
予想 59.0 前回 58.9
非製造業PMI(速報・購買担当者景気指数)(4月)17:30
結果 60.1
予想 58.9 前回 56.3
【日本】
消費者物価指数(3月)08:30
結果 -0.2%
予想 -0.2% 前回 -0.4%(前年比)
結果 -0.1%
予想 -0.2% 前回 -0.4%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【シンガポール】
消費者物価指数(3月)14:00
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
結果 1.3%
予想 1.2% 前回 0.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(4月)16:30
結果 66.4
予想 65.8 前回 66.6
ドイツ非製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(4月)16:30
結果 50.1
予想 51.0 前回 51.5
ユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(4月)17:00
結果 63.3
予想 62.0 前回 62.5
ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(4月)17:00
結果 50.3
予想 49.1 前回 49.6
【香港】
消費者物価指数(3月)17:30
結果 0.5%
予想 0.8% 前回 0.3%(前年比)
【米国】
新築住宅販売件数(3月)23:00
結果 102.1万件
予想 88.5万件 前回 84.6万件(77.5万件から修正)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《4/23 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ミュラー・エストニア中銀総裁
金利上昇が一服したこともあり、今週の理事会では計画および従来からの政策決定に変更加える必要なくなった。
現在のコロナ危機を乗り越えるための政府の決定および経済支援予算は、金利に対してより直接的な影響与える。
したがって、EU復興基金を遅滞なく実行することが重要なのだ。
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
鉱工業生産(3月)14:00
予想 2.2% 前回 1.6%(前月比)
予想 2.8% 前回 16.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(4月)14:00
予想 N/A 前回 96.6
【米国】
耐久財受注・速報値(3月)21:30
予想 2.0% 前回 -1.2%(前月比)
予想 1.6% 前回 -0.9%(輸送除くコア・前月比)
-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員