ドル円はレンジ取引が中心に
ドル円はレンジ取引が中心に
109円が近くて遠い展開に
【東京市場】豪ドル、指標発表をきっかけに売り
ドル円は108円台後半での推移が続いた。
NY市場午後の流れを引き継ぐ形で朝方は108円90銭台でのしっかりとした動きも、109円手前が重く、
いったん売りが出る格好に。もっとも押し目は108円81銭までにとどまり、その後108円90銭台に戻すなど、
下値しっかり感が続いた。ロンドン勢が入り始めると再びドル買い円売りの動きで108円96銭を付けているが、
109円ちょうど手前が近くて遠い展開に。
ユーロドルは午前中に1.1990前後まで上昇。ドル円が108円90銭台からやや調整の動きとなる中で、
NY市場での高値を超えて少し買いが入った。もっとも1.20手前の売りを意識してすぐに売りが入り1.1970台へ。
豪ドルは10時半の雇用統計がかなり強めに出たことでいったん買いが入ったが、上値が重く、逆に売りが出る流れに。
2月に続いて今回発表の3月分も予想を大きく超える雇用増となったが、
前回と違い今回は非正規雇用が中心の雇用増で、正規雇用がマイナスとなった分買いが入らず、
逆に上値の重さが意識される格好に。発表前にドル円、ユーロドルでのドル売りの動きに0.7744前後を付けた後、
0.7735前後で結果発表を迎え、発表後の買いは直近高値にほぼ並ぶところまで。
その後0.7700台まで売りが入る展開が見られた。豪ドル円も84円20銭台から一時83円80銭台まで。
【ロンドン市場】もみあい
朝方のドル買いトライもすぐにドル売りが優勢な展開となった。しかしこちらも続かず続かず。
ドル円は108円96銭を付けた後、108円67銭と今月の安値を更新するところまで値を落としたが、
108円80銭台に戻す格好に。
ユーロドルも1.1970前後を付けた後、1.1990台まで上昇も、その後上昇分を打ち消した。
米10年債利回りが1.61%前後まで低下したことがドル売りを誘ったが、
米小売売上高などの発表を前に調整。
【NY市場】米小売売上高の好結果にもドル買い限定的
米小売売上高の強めの数字にもドル円は108円80銭台までの上昇にとどまり、
その後はドル売りが優勢な展開となった。
もっともNY午前、NY午後の2度のドル売りトライは108円60銭を付けきれず
下値もしっかりの展開となった。
【本日の見通し】レンジ取引中心に次の流れ意識
108円台後半でのレンジ取引を中心に次の流れを意識する展開。
中長期的なドル買い期待が強いが、今月に入ってISM製造業、雇用統計、ISM非製造業、PPI、CPI、そして昨日の小売りと
重要指標が軒並みかなり強めに出たものの、しっかりとしたドル買いにつながっておらず、上値警戒が相当強い
指標発表後はいったん買われるもすぐに下げるという格好で、上値での売り意欲を意識させる展開。
リスクはやや下方向か、108円台前半への下げに警戒。
もっとも米10年債利回り動向如何では流れがすぐに変わる可能性。
上下ともにリスクがあるとの警戒。
【本日の戦略】戻り売り
上下のリスクを考えるとつっこんだ売り買いは避けたい。
上値の重さから戻り売りが基本か。
109円に近いところでの売り、大台をしっかり回復でストップ。
デイトレはレンジを意識して柔軟に回転。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《4/15 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.93 1.1980 130.49
高値 108.98 1.1993 130.57
安値 108.61 1.1956 130.03
終値 108.76 1.1967 130.15
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《4/15 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29642.69 +21.70
DOW 34035.99 +305.10
S&P 4170.42 +45.76
Nasdaq 14038.76 +180.92
FTSE 6983.50 +43.92
DAX 15255.33 +46.18
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《4/15 木曜日の商品市場》
NY原油先物5月限(WTI)(終値)
1バレル=63.46(+0.31 +0.49%)
NY金先物6月限(COMEX)(終値)
1オンス=1766.80(+30.50 +1.76%)
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《4/15 木曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
中銀政策金利(4月)09:50
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.5%(韓国中銀政策金利)
【豪州】
雇用統計(3月)10:30
結果 7.07万人
予想 3.5万人 前回 8.87万人(雇用者数)
結果 5.6%
予想 5.7% 前回 5.8%(失業率)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(3月)15:00
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
結果 1.7%
予想 1.7% 前回 1.7%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数(確報)(3月)15:00
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
結果 2.0%
予想 2.0% 前回 2.0%(前年比)
【トルコ】
中銀政策金利(4月)20:00
結果 19.0%
予想 19.0% 前回 19.0%(トルコ中銀政策金利)
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)21:30
結果 26.3
予想 20.0 前回 17.4
フィラデルフィア連銀景況指数(4月)21:30
結果 50.2
予想 41.5 前回 44.5(51.8から修正)
新規失業保険申請件数(04/04 – 04/10)21:30
結果 57.6万件
予想 70.0万件 前回 76.9万件(74.4万件から修正)(前週比)
結果 373.1万件
予想 370.0万件 前回 372.7万件(373.4万件から修正)(継続受給者数)
小売売上高(3月)21:30
結果 9.8%
予想 5.8% 前回 -2.7%(-3.0%から修正)(前月比)
結果 8.4%
予想 5.0% 前回 -2.5%(-2.7%から修正)(コア・前月比)
鉱工業生産指数(3月)22:15
結果 1.4%
予想 2.5% 前回 -2.6%(-2.2%から修正)(鉱工業生産指数)
結果 74.4%
予想 75.6% 前回 73.4%(73.8%から修正)(設備稼働率)
企業在庫(2月)23:00
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.4%(0.3%から修正)(前月比)
対米証券投資(2月)05:00
結果 726億ドル
予想 N/A 前回 1058億ドル(1063億ドルから修正)
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《4/15 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*黒田日銀総裁
内外における新型コロナの影響から引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している。
新型コロナの影響が徐々に和らいでいくもとで、外需の回復や緩和的な金融環境、
政府の経済対策の効果にも支えられて、改善基調を辿るとみられる。
もっとも、警戒感が続くなかで、そのペースは緩やかなものにとどまると考えられる。
物価は先行きプラスに転じていき、徐々に上昇率を高めていくと考えられる。
金融システムは、全体として安定性を維持。
金融政策は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、
これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続。
当面、新型コロナの影響を注視し、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。
【米国】
*デーリー・サンフランシスコ連銀総裁
パンデミック前の労働市場回復にはしばらく時間要する。
インフレ加速の一部は一時的と予想。
ワクチン接種を完了した人口がコロナ打破の鍵。
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《本日予定されている主な経済指標》
【中国】
実質GDP(第1四半期)11:00
予想 18.5% 前回 6.5%(前年比)
鉱工業生産(3月)11:00
予想 18.0% 前回 N/A(前年比)
予想 26.5% 前回 35.1%(年初来・前年比)
小売売上高(3月)11:00
予想 28.0% 前回 N/A(前年比)
予想 31.7% 前回 33.8%(年初来・前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(3月)18:00
予想 0.9% 前回 0.9%(コア・前年比)
予想 1.3% 前回 0.9%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(2月)18:00
予想 N/A 前回 63.0億ユーロ(季調前)
予想 220.0億ユーロ 前回 242.0億ユーロ(季調済)
【カナダ】
住宅着工件数(3月)21:15
予想 25.5万件 前回 24.59万件
【米国】
住宅建築許可件数(3月)21:30
予想 175.0万件 前回 172.0万件
住宅着工件数(3月)21:30
予想 161.1万件 前回 142.1万件
ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(4月)23:00
予想 89.0 前回 84.9
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員