【これからの見通し】バイデン当確、米大統領選後の動き探る
【これからの見通し】バイデン当確、米大統領選後の動き探る
週明けは全般に株高と円安の動きが優勢。先週末にバイデン氏がペンシルベニア州で勝利確実と報じられ、選挙人270名確保が確定的となったことが好感されている。日本の菅首相をはじめとして世界各国の首脳らがバイデン次期大統領に祝意を示している。厳密にはまだ大統領は確定していないが、市場は大統領選後の動きを探ることとなってきている。
このままご祝儀相場が続くのかは微妙だ。大きなイベント通過とあって次のテーマやシナリオについて、市場のコンセンサスを探る段階だ。ひとまず上げ潮相場に利益確保の動きがでてきてもおかしくはないだろう。
バイデン政権となった場合に、トランプ政権とは異なる政治手法が導入されることとなる。市場に新たな摩擦を生み出すことが予想される。まずは、大規模な景気刺激策が謳われることとなろう。その代償として大量の国債発表にともなう長期債利回り上昇のリスクもありそうだ。
富裕層に対する増税についても警戒されるところ。株式市場の主な買い手は富裕層であり、相場にはネガティブになるかもしれない。ただ、ドル相場の反応は未知数だ。資産流出懸念はドル売り圧力に、リスク回避の動きはドル買いの動きにと異なる面がある。
まずは、週明けの海外市場でも米大統領選での熱気が続くのかどうかを注意深く見てゆきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ経常収支(9月)、ドイツ貿易収支(9月)、メキシコ消費者物価指数(CPI)(10月)など。比較的注目度の低い指標群にとどまる。
発言イベント関連では、レーン・フィンランド中銀総裁、ラガルドECB総裁、ベイリー英中銀総裁、ホールデン英中銀委員、メスター・クリーブランド連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。米主要企業決算は、マクドナルド、ビヨンドミートなど。米3年債入札(540億ドル)が実施される。
その他の注目ポイントとしては、再び英国とEUとの貿易交渉の話題が出てきそうだ。また、トルコリラ動向も目が離せない。リラ売り基調が続く中で、週末には中銀総裁の更迭、財務相の辞任などショッキングが事態となっている。週明けにはリラ買いの反応が広がっているが、このあとの海外市場ではどうなるか。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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