修正:ドル円148.60円台 パウエル解任否定とNY連銀総裁でドル買い 日本格下げ懸念で円売りも
修正:ドル円148.60円台 パウエル解任否定とNY連銀総裁でドル買い 日本格下げ懸念で円売りも
トランプがパウエル解任の可能性との報道を受け、きのうのNY時間で一時ドル安・株安・債券安の米トリプル安となった。トリプル安に焦ったトランプ氏はすぐに火消しに動き、パウエル解任を否定した。解任否定受けドルが買い戻されている。ただ、トランプによる市場混乱が警戒されており時間外で米株は下落、債券も売られている(利回りは上昇)。
東京時間に伝わったNY連銀総裁の発言もドル買いを後押ししているようだ。ウィリアムズNY連銀総裁は、関税の影響はまだ初期段階であり、今後数カ月でインフレに大きな影響が出るだろうと述べた。トランプ関税により今年のインフレ率は3%から最大3.5%の間とみている。
ウォラー理事とボウマン副議長は次期FRB議長の座を狙っているのか7月利下げを支持する姿勢を示しているが、FRB当局者の大半は利下げに慎重だ。リッチモンド連銀総裁もダラス連銀総裁もインフレ加速を警告、金利を長く据え置く必要性を主張している。
「悪い円安」も見られる。20日投開票の衆院選で与党が過半数を維持できない可能性がある。与党が予想以上に負けとなると日本の格付けが早期に引き下げられるとの懸念から円は下落している。海外勢は財政悪化懸念と日銀利上げの遅れ、米利下げ観測後退で、ドル円は衆院選前後に150円を突破すると見ているようだ。
青木官房副長官はきょう、投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮している、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だと円安を牽制したが、 反応は限定的だった。

執筆者 : MINKABU PRESS
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