FX/為替「ドル/円、注目の米6月CPI トランプ関税の影響を確認できるか」 外為どっとコム トゥデイ 2025年7月15日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年7月15日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
目次
▼14日(月)の為替相場
(1):米大統領 EUとメキシコへの書簡公表
(2):中国貿易収支 予想を上回る伸び
(3):ブルームバーグ報道 日銀、物価見通しを上方修正へ
(4):米大統領 関税について発言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:CPIと関税がカギ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(月)の為替相場
期間:14日(月)午前7時00分~15日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米大統領 EUとメキシコへの書簡公表
トランプ米大統領は週末の12日に欧州連合(EU)とメキシコに対して、8月1日から30%の関税を課すことを示した書簡を自身のSNSで公表した。 これに対して、EUのフォンデアライエン委員長は「こうした措置は米国・EU双方の経済に打撃を与える」と警告。「8月1日までの合意を目指し、引き続き協議を続ける用意がある」と語ったうえで、「同時にEUの利益を守るべく、必要なら適切な対抗措置を含め、あらゆる手段を講じていく」とも述べた。またEUは米国の関税政策に対する報復措置について、14日までだった停止期限を8月上旬まで延長した。ドル/円やクロス円はリスク回避の円買いが優勢で取引を開始したが、貿易摩擦の急速な悪化を避けられたこともあり、すぐに下げ幅を取り戻した。
(2):中国貿易収支 予想を上回る伸び
中国6月貿易収支は1147.7億ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(1121.0億ドル)や前月(1032.2億ドル)を上回った。輸出が前年比+5.8%となったほか、輸入は+1.1%でともに予想(+5.0%、+0.3%)を上回った。また対米輸出は前年比-16.1%となったが、前月比では+32.4%だった。
(3):ブルームバーグ報道 日銀、物価見通しを上方修正へ
ブルームバーグは「日銀は今月末の金融政策決定会合で物価見通しの上方修正を検討する見込み」と報じた。コメを中心とした食料品価格が想定よりも上昇していることや、中東情勢の緊迫化を背景にした原油価格の上昇が要因。
(4):米大統領 関税について発言
トランプ大統領は新たな関税を通知する各国・地域への書簡について「その書簡がディールだ。ディールは成立している。新たに結ぶディールは存在しない」と語った。一方で、「欧州は別のディールを望んでいる。われわれは欧州を含め、協議にはオープンだ」とも述べた。
14日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:CPIと関税がカギ
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。米長期金利の上昇を支えに147.78円前後まで上値を伸ばしたが、翌日に米6月消費者物価指数(CPI)を控えており結果を見極めたいとの思惑から6月23日以来となる148円乗せを試すには至らなかった。
本日発表の米6月CPIは2カ月連続で前月からインフレの伸びが加速すると予想されている。ただ、トランプ関税の影響が本格的にインフレに反映されるのは夏以降との見方が強い。このため、CPIが6月時点で予想以上の伸びを示せば米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げがさらに後ずれするとの観測が強まることになろう。一方で、予想を下回る結果となった場合はドル売りで反応しそうだが、「関税の影響がまだ反映されていない」との見方からドル/円の下値は限定的となりそうだ。
注目の経済指標:米消費者物価指数
注目のイベント:BOE総裁講演
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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