リスク選好でドル円は108.60円近辺まで一時上昇 部分的合意もファーウェイは含まれず=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場は前日に引き続きリスク選好の雰囲気が広がる中、ドル円は108.60円近辺まで一時上昇した。8月1日以来の高値水準。閣僚級の米中貿易協議が2日目をむかえる中、合意に向けた楽観的なムードが広がった。

 終盤になってトランプ大統領の発言が伝わり、「中国とフェーズ1の合意に達した。合意には知財、農産物の購入、金融サービスを含まれる」と述べていた。また、ムニューシン米財務長官は「中国人民銀行との協議は順調に進んでおり、為替の透明性で合意があった。来週の関税引き上げは見送り」と述べた。ただ、きょうの合意にはファーウェイは含まれず、12月の関税についてはまだ決定していないとしている。

 全面合意はさすがに難しく、部分的合意に留まったようだが、決裂という最悪の事態は回避されている。米株式市場も買いが強まる中、ドル円もリスク選好の上げを続けた。もともと市場は全面合意までは期待していない。

 一部報道で来月にチリで開催されるAPEC首脳会談を前にした追加協議を行うために、中国側が正式にムニューシン米財務長官とライトハイザーUSTR代表を北京に招待したと伝えていた。

 ドル円は109.05円付近に200日線が来ており、目先の上値メドとして意識される。

 ユーロドルも買い戻しが続き1.1060ドル近辺まで一時上昇。英EU離脱協議で合意に向けた楽観的なムードが広がっていることもサポート。ただ、ユーロ圏経済については良い話はない。ドイツ政府は2020年の成長見通しを従来の1.5%から1.1%に下方修正するとの報道が流れていた。ドイツ経済省の報道官は、数字は最終的なものではなく、来週17日に公表するとしている。なお、同報道によると、2019年の見通しは0.5%から変更していないという。

 域内最大の経済大国であるドイツ経済の先行きに暗雲が立ち込めており、ECBの緩和政策は予想以上に長引くとの見方が強まりつつある。ただ、ユーロドルはきょうの上げで21日線を上放れる展開がみられており、リバウンド相場に入るか注目の展開が見られている。目先は9月高値の1.1110ドルが上値メドとして意識される。

 ポンドはきょうも買いを強めた。ポンドドルは一時1.27ドル台まで急上昇する場面も見られ、200日線に顔合わせしている。ポンド円も一時137円台後半まで上昇。

 英EU離脱交渉が山場をむかえる中、ここに来て合意への期待が一気に高まった。きのうはジョンソン英首相と北アイルランドのバラッカー首相が会談を行い、英EU離脱に関して、「合意可能な道筋があることで一致した」と伝わっていた。きょうはバルニエEU首席交渉官とバークレイ英EU離脱担当相が会談を行っており、バルニエ氏は「法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があった」とEU27ヵ国の代表に説明したと伝わっている。加盟各国が承認すれば、合意案について詳細な交渉に入る。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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