FX/為替「金融政策ウイークは3円のドル高・円安で着地 関心は来週の雇用統計ウイークへ」 外為トゥデイ 2024年9月23日号(短縮版)
ドル/円を中心に、前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月23日9時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9月20日(金)の為替相場
▼9月20日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日のひとこと/ ▼注目の経済指標
9月20日(金)の為替相場
期間:20日(金)午前6時10分~21日(土曜)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
9月20日 主な出来事
08:30 日本8月全国消費者物価指数・除生鮮食(前年比) +2.8%
前回+2.7%
予想+2.8%
10:00 中国LPR1年を3.35%、5年を3.85%に維持
11:57 日銀、政策金利を0.25%に維持
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、十分注視する必要」
「企業の賃金・価格設定行動が積極化、過去と比べ為替の変動が物価に影響及ぼしやすくなっている」
15:00 イギリス8月小売売上高(前月比) +1.0%
前回+0.5%(0.7%)
予想+0.4%
15:00 イギリス8月小売売上高・除自動車(前月比) +1.1%
前回+1.0%
予想+0.5%
15:00 ドイツ8月生産者物価指数(前年比)-0.8%
前回-0.8%
予想-1.0%
15:30 植田日銀総裁
「金融資本市場、引き続き不安定な状況にある」
「データ等がオントラックなら少しずつ利上げという考えに変わりはない」
「(円安修正で)物価上振れリスクは相応に低減、海外経済の状況確認していく時間的余裕がある」
「見通しの確度が高まった、『したがってすぐ利上げ』、とはならない」
17:11 マン英MPC委員
「8月に利下げ票を投じることを検討した」
「政策は引き締め的である必要」
「利下げサイクルの開始については慎重な見方」
「より長期間引き締め的な状態を維持する方が良い」
21:30 カナダ7月小売売上高(前月比) +0.9%
前回-0.3%(-0.2%)
予想+0.6%
24:30 ウォラーFRB理事
「経済を好調に保つには、0.50%の利下げが適切だと感じた」
「コアPCEは目標を下回っていると推測」
「雇用市場が悪化すれば、再び0.50%の利下げの検討あり得る」
「データ次第では利下げを一時停止することもある」
9月20日(金)の株・債券・商品市場
日経平均 37723.91△568.58
豪ASX 8209.467△17.543
上海総合 2736..814△0.792
英FT 8229.99▼98.43
独DAX 18720.01▼282.37
NYダウ 42063.36△38.17
日10年債利回り 0.850%▼0.001
豪10年債利回り 3.9179%▼0.0097
英10年債利回り 3.903%△0.011
独10年債利回り 2.208%△0.100
米02年債利回り 3.5910%△0.0097
米10年債利回り 3.7413%△0.0282
NY原油 71.92▼0.03
NY金 2646.20△31.60
ドル円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
本日のひとこと
米・日金融政策ウイークのドル円は前週比3円あまり高い143.90円で着地。週末20日には一時144.50円まで上昇して週初に付けた年初来安値の139.58円から5円に迫る反発を見せる場面もありました。FRBは18日に大方の予想を上回る50bp(0.5%ポイント)の大幅利下げを決めましたが、その前日に3.59%前後まで低下していた米10年債利回りは、FOMCの翌日には3.76%前後へと上昇。NYダウはFOMC後、週末にかけて連日の史上最高値更新とあいなりました。FRBの大幅な利下げで大幅な景気の落ち込みも避けられるというソフトランディング期待がドルをサポートした形で、そこに花を添たのが日銀でした。植田総裁は20日の会見で追加利上げを急がない姿勢を強調。リスクオンの円売りに加え、円買いポジションの巻き戻しを誘発したと考えられます。
米・日金融政策ウイークを終えたことで、市場の次の関心は来週末の米9月雇用統計に向かうことになるでしょう。なお、来週は雇用統計だけでなくJOLT求人件数やADP雇用統計など米労働市場関連の統計が盛りだくさんの雇用統計ウイークです。そうした中で、あえて今週の注目イベントを一つ選べば26日の米新規失業保険申請件数。27日の米8月PCEデフレーターも注目ではありますが、FRBが金融政策の重心をインフレから雇用に移したことを踏まえると、市場もインフレデータより雇用データにより強く反応するのではないでしょうか。
注目の経済指標
<国内>秋分の日の振替休日
なし
<海外>
07:45 8月NZ貿易収支
14:00 8月シンガポール消費者物価指数
16:15 9月仏製造業PMI・速報値
16:15 9月仏サービス業PMI・速報値
16:30 9月独製造業PMI・速報値
16:30 9月独サービス業PMI・速報値
17:00 9月ユーロ圏製造業PMI・速報値
17:00 9月ユーロ圏サービス業PMI・速報値
17:30 9月英製造業PMI・速報値
17:30 9月英サービス業PMI・速報値
21:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
22:00 チポローネECB専務理事、議会証言
22:45 9月米製造業PMI・速報値
22:45 9月米サービス業PMI・速報値
23:15 グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
26:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
※経済指標カレンダーはこちら。
※時間は日本時間での表示になります。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。