ドル円は下げ一服も107円台での推移続く=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は下げは一服しているものの、107円台での推移が続いている。きょうのNY為替市場でドル円は107円台に値を落としている。序盤は底堅い動きが続き108円台で推移していたが、一部報道でトランプ政権が米投資家の中国への資金流入の制限を検討と伝わったことで、市場にはリスク回避の雰囲気が一気に広まった。
トランプ政権は米中が貿易戦争の停戦交渉を進める中でその議論は行われており、米国からの投資規制は新たな紛争を生み、関税を遥かに超える混乱を引き起こす可能性があるという。米証券取引所に上場している中国企業の上場廃止や、米投資家による年金基金を通じた中国へのエクスポージャーを制限するというのが案として挙がっていると伝えている。
ドル円は100日線を上回る動きが見られていたものの、100日線付近まで戻す展開。
ユーロドルは買い戻しが優勢となり1.09ドル台半ばまで買い戻されている。今週のユーロドルは売り優勢の展開が続き、1.09ドル台は維持しているものの年初来安値は更新している。ユーロ売りもさることながら、ドル買いの動きがユーロを圧迫していた。企業やファンド勢の売りが活発に出ていたようだが、期末接近で実需のドル買いが大量に出ていたようだ。ただ、その動きも一段落しており、ユーロドルは下げが一服している状況。
ポンドドルは1.23ドル台を回復する場面も見られたが、米国からの対中投資規制の報道で1.22ドル台に伸び悩む展開。ポンドはロンドン時間の序盤に急速に売られる場面が見られた。ソーンダース英中銀委員が、EU離脱が順調もしくは延期されたりしても、不確実性が成長の重しとなり利下げが必要になる可能性に言及していた。
来週、第2四半期の英GDP確報値が公表される予定だが、マイナス成長で変わらずと見られている。ただ、第3四半期のGDPに関しては、7月の月次GDPが強い内容だったことから、マイナス成長にはならず、テクニカル的なリセッションまでは陥らないのではとの見方が有力となっているようだ。
MINKABU PRESS 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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