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とれんど捕物帳 FOMCは利下げも慎重姿勢か 2020年末時点のドット・プロットに注目

為替 

 今週のドル円は108円台まで上昇し100日線に顔合せした。米中貿易協議再開が伝えられ険悪だった市場のムードが和らいでいる。中国が16種類の米製品を追加報復関税から免除すると発表されたことも何らかのシグナルと市場は捉えたようだ。中国のほうも預金準備率の引き下げなど金融緩和策を打ち出し、景気刺激策も検討されているとの報道も伝わっていた。

 米中協議に関しては長丁場が予想され、今回も最終的な合意には至らないと見ている向きが依然として多いであろう。今後も再び不安感を強める局面が来るものと予想されるが、協議再開が伝えられ、ひとまず好感しているものと思われる。

 また、先週からの一連の英議会の動きで、英国の合意なき離脱への警戒感が大きく後退したことも市場のムード改善に寄与したものと思われる。英議会は、合意なしに10月31日の離脱はできず、EUと合意できない場合には離脱延期をジョンソン政権に強いる法案を成立させた。

 ジョンソン英首相は手足を縛られた格好となってしまっているが、10月31日までのEU離脱にはなおこだわっている。早期の解散総選挙の可能性を含めた今後の動静次第で流動的な状況ではあるが、ひとまず安心感に繋がっている模様。

 これらのニュースに市場も景気後退への懸念を一服させていたようだ。リスク回避の円高のポジションを取っていた投資家も一旦ヘッジに入ったものと思われる。下記のトレンドの変化を見てもドル円やクロス円は上向きのトレンドに変化させている。

 そして、今週最大の注目イベントだったECB理事会だが、ECBは中銀預金のマイナス金利を0.1%深堀し、金利階層化も発表。加えて月間200億ユーロの債券購入の11月開始を決め、更にガイダンスも修正し緩和姿勢を強調した。「少なくとも2020年上半期まで低金利維持」の文言を削除しオープンエンドとした。

 政策発表後にユーロは急速に売りが強まったが、売りが一巡すると逆に急速に買い戻されている。ECBは緩和姿勢を強調していたもののやはり、利下げ幅と債券購入の規模は見劣りする内容と受け止められたのかもしれない。年内の追加利下げはないとの見方も出ていたようだ。フランス、ドイツ、オランダ中銀総裁は債券購入再開に反対していた模様。

 さて来週だが、注目はFOMCであろう。0.25%の利下げが確実視されている。ただ、それ自体は市場も十分に織り込んでいる状況。今回はFRBの経済見通しとFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)が公表され、そちらが注目となりそうだ。

 直近の米経済指標を見ると、貿易問題や世界経済の減速などで米製造業の景況感は良くない。企業の設備投資も低調。しかし、他の雇用や個人消費、サービス業の景況感などはしっかりとしており、現段階のファンダメンタルズからは利下げは正当化されないであろう。FRBはインフレの低下傾向を材料に、貿易問題や世界経済減速の米経済への影響に着目し、保険的に利下げを実施している。

 そのような状況下でFOMCメンバーが金利の先行に対して、どう見ているのか注目されるところではある。先週も言及したが、米国債市場が来年の景気後退のシグナルを発しており、市場は2020年末までに計1%超の利下げを見込んでいる。次回10月のFOMCは据え置きも、12月は利下げを実施してくると見られているようだ。

 そのような中、FOMCメンバーが2020年末時点でどの程度の金利水準を見込んでいるのかに注目したい。トランプ大統領によるFRBへのプレッシャーは相変わらずだが、足元のファンダメンタルズからすれば、FOMCメンバーはそうハト派にはなれないものと個人的には見ている。ハト派を正当化できる明確なエビデンスがない。

 メインシナリオは方向感は出ず無難な通過だが、ドル高の反応が出る可能性は留意したいところではある。

 ドル円は今月に入ってからのリバウンド相場で若干過熱感も出ているものの、まだ警戒するほどの水準ではない。上値では戻り売りも出そうだが、底堅さを堅持するものと期待しており、21日線水準はサポートされるものと思われる。想定レンジとしては107.00~109.00円を想定。スタンスは「中立」を維持して置きたい。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(→)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(→)

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次回の配信は9月28日(土)の午前を予定しています。ご了承ください。
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minkabu PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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