ドル円は106.50円付近で方向感のない値動き FOMC議事録待ち=NY為替前半
きょうのNY為替市場は方向感のない値動きとなっている。ドル円は106.50円付近で振幅。米中対立や景気の先行きへの懸念が一服する中で米株も再び高値を目指す展開が見られており、ドル円も底堅さが出て来ている。ただ、上値での戻り売り圧力も根強くあるようで106.70円付近には売りオーダーが並んでいるようだ。一方、106円台前半には買いオーダーが並んでいる状況。
きょうは午後に7月分のFOMC議事録が公表される。約10年ぶりの利下げを打ち出したFOMCだが、メンバーからは反対票も投じられており、見解が二分しているとの観測も出ている。
市場は明日からのジャクソンホールでのFRBの年次シンポジウムに焦点が集まっており、23日金曜日にはパウエルFRB議長の講演も行われる。市場には追加利下げ期待が高まっており、一部には0.5%の大幅利下げを織り込む動きも出ている状況。市場はジャクソンホールでの講演がどのようなものになるのかヒントを欲しているが、前回のFOMC以降のFOMCメンバーからの講演が少ない中で、きょうのFOMC議事録は何らかの手掛かりを与えてくれる可能性もある。
ユーロドルは1.11ドルちょうど付近での上下動。前日はイタリアのコンテ首相が辞任し、イタリアの政局が再び不安定になって来ている。ただ、ドイツ債とイタリア債の利回り格差は比較的安定しており、市場の一部からはイタリアの政局よりもドイツの景気後退への懸念のほうが、目先のユーロを圧迫するとの見方も出ている。
明日はユーロ圏とドイツの8月のPMI速報値の発表が予定されている。予想では前回並みかそれより低い水準が見込まれている。景気後退の可能性を示唆する内容であれば、ユーロ安を加速させる可能性も警戒される。ユーロドルは21日線が1.1140ドル付近に来ており、目先の上値レジスタンスとして意識される。下値は前日安値の1.1065ドル付近が意識。
ポンドも小動き。ポンドドルは1.2110ドル近辺まで一時下落したものの、直ぐに1.21ドル台半ばに戻す展開。フランスが英国の合意なき離脱が、いまや中心シナリオと考えていることが報じられるとポンド売りが強まる場面も見られた。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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