ドル円は一時161円台に下落 米PPIもインフレ鈍化を示す イラン情勢が依然緊迫化=NY為替概況
ドル円は一時161円台に下落 米PPIもインフレ鈍化を示す イラン情勢が依然緊迫化=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル安が優勢となり、ドル円は一時161円台に下落。この日発表の6月の米生産者物価指数(PPI)が前日のCPI同様に予想を下回り、インフレ鈍化を示す内容となった。短期金融市場では一時期50%まで高まっていた今月のFOMCでの利上げの確率が10%程度まで急低下している。ほぼ無くなっている状況。
ただ、イラン情勢が依然として緊迫化しており、ドルを下支えしている。米軍がイランへの攻撃を再開したと発表したほか、トランプ大統領がイランでの軍事作戦の拡大支持に傾いているとも伝わり、軍事作戦拡大には地上軍の派兵も含み得ると報じられた。
ドル円は終了間際になって再び買戻しが入り、急速に162円台に戻す展開となった。原油相場に再び買いが見られており、為替市場もドル高で反応。
一連のインフレ指標を受けて、FRBがここ数日懸念されていたほど積極的な利上げを行う必要はないとの見方が強まっている。ただ、短期金融市場では年内1回以上の利上げはなお織り込まれている状況。
一部からは、「エネルギー価格の影響がインフレ鈍化に大きく寄与したことは事実だが、物価の伸び鈍化は幅広い品目に及んでおり、投資家にとって安心材料となった。しかし、FRBや米経済が安心できる状況になったわけではない。インフレは依然として絶対水準では高く、足元で原油価格は再び上昇基調にあり、さらにAIは現時点で非常にインフレを助長する要因となっている」とのコメントも聞かれた。
ユーロドルはNY時間に入って買い戻しが加速し、1.14ドル台後半まで一時上昇。本日の上昇で1.1420ドル付近に来ている21日線を再び上回っている。一方、ユーロ円も186円台まで一時上昇した。
米大手銀が実施した7月の世界のファンドマネジャー調査によると、投資家は引き続きドルとポンドを割高とみている一方、ユーロについては割安との見方に転じたという。調査ではユーロについて、「割安」との回答から「割高」との回答を差し引いた値がプラス10%となり、前月の中立(0%)から割安との見方が優勢となったという。
また、アナリストからは、ユーロドルは1.1340ドルのフィボナッチ水準を終値でサポートされたことで、テクニカル的に反転のシグナルが点灯する可能性があるとの指摘が出ている。前日と前々日の日足のローソク足がツイーザー・ボトム(毛抜き底)を形成し、上記21日線を上回って終わっており、そぼ可能性を高める展開。
ポンドドルは買いが加速し、一気に1.35ドル台半ばまで一時上昇。ポンドは対ユーロ、円でも上昇し、独歩高の様相となった。ポンドドルは本日の上げで200日線を上放れる展開を見せており、明日以降の動きが注目される。
政治的な観測もポンドを下支えしているとの指摘も出ている。ミリバンド・英エネルギー相が、次期首相就任が有力視されるバーナム氏の下での財務相候補から外れたとの観測が出ている。ミリバンド氏は財政拡大を志向し、財政状況を悪化させる可能性があるとの懸念が一部で出ていた。なお、バーナム氏は金曜日に労働党党首に正式選出され、月曜日に首相へ就任する見通しとなっている。
アナリストは、「この話題はポンド相場の材料になり続けると考えている。ただし、政権移行に向けて詳細が明らかになるにつれ、ポンド相場のリスクは依然としてやや下方向に傾いているとの見方を維持している」とも述べた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。