ドル円、159円台に再浮上 ボラティリティは極めて低い=NY為替概況
ドル円、159円台に再浮上 ボラティリティは極めて低い=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル買いがやや優勢となり、ドル円も159円台前半に戻した。前日の週明けに158円台に値を落としたものの、下値での押し目買い意欲も根強く、159円台に再浮上している。
米国がイラン南部のミサイル発射拠点や船舶など対象に攻撃を実施したものの、市場は冷静に見ており、和平交渉を妨げないとの期待を維持している。原油も下落し、米国債利回りも低下。米政府は今回の攻撃について、防衛的措置だったと説明。トランプ大統領は「協議は順調に進んでいる」と述べていた。
ストラテジストは「市場心理を左右している最大要因はイラン情勢だ」と指摘。「攻撃やイラン側の強硬発言にもかかわらず、双方はこれまで以上に合意に近づいている。米国は軍事行動再開を望んでいないことを明確にしている」と述べている。
ただ、ドル円は159円を挟んでの上下動に変化はない。地政学や金融政策、為替介入などを考慮するとボラティリティは極めて低く見えるとの指摘も出ている。オプション市場では1週間物インプライド・ボラティリティ(予想変動率)が5.23%と数年ぶり低水準へ低下。
動かない理由は、トレーダーの間で155ー160円レンジが維持されるとの見方が強まっているためだという。ドルを下支えしている日米の金利差や底堅い米経済指標、決定打を欠く日銀政策などで、ドル円は150円台半ばで支えられている。一方、上値では為替介入リスクが意識されている状況。そのような中、方向感をなくしているようだ。
ユーロドルは1.16ドル台前半に値を落とした。下押す動きまでは出ていないものの、200日線の下での推移が続いており、上値は重い。一方、ユーロ円もNY時間にかけて伸び悩む展開が続いており、185円台と21日線の上での推移となっている。
ユーロドルの弱気な見方は根強い。アナリストは、FRBが利上げを警告する一方、弱い経済指標を受けてユーロ圏の利上げ期待が後退すれば、ユーロは1.15ドルに向けて下落する可能性があると指摘している。
ユーロドルの適正価値は1.16-1.17ドルと推定しているが、金利差がユーロに圧力をかける可能性があるという。同アナリストは、1.15ドルへの下落を強く主張する根拠はないとしながらも、FOMC委員がさらに利上げに踏み込んで言及し、欧州の経済指標が引き続き期待外れとなれば、そうした方向に向かう可能性があるという。
ポンドドルはNY時間にかけて売りが優勢となり、1.34ドル台半ばに下落。前日の上げを解消する動きが見られ、21日線で跳ね返されている。本日の200日線が1.34ドル台前半に来ており、目先の下値メドとして意識。一方、ポンド円も軟調に推移し、214円台前半に下落しているほか、対ユーロでもポンドは下落。
ポンドの下落が目立っているが、ここにきて市場では英中銀の利上げ期待が後退。先週発表の一連の弱い英経済指標を受けて、市場は年内利上げの見方を後退させている。英雇用統計の弱さと個人消費の減少で、インフレの急上昇リスクが低下。短期金融市場では現在、年内の利上げを1回は完全に織り込んでいるものの、以前織り込まれていた2回は後退させている。
対照的にFRBとECBによる利上げ期待が高まっており、ポンドはドルやユーロに対して劣勢に立っている状態にある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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