【これからの見通し】為替相場は静寂を保つ、株式市場の調整局面、中東情勢の緊迫化を横目に
【これからの見通し】為替相場は静寂を保つ、株式市場の調整局面、中東情勢の緊迫化を横目に
為替市場は不思議なほどの静寂さを保っている。7月に入ってからはドル高が一服しており、ドル指数は緩やかな低下傾向を示している。ドル円は162円台、ユーロドルは1.14台、ポンドドルは1.34台で推移している。
相場環境は極めて流動的だ。株式市場では世界的なAI関連株ブームの反動が強まっており、指数全般に売り圧力が強まっている。きょうは日経平均が4000円超の大幅安となる場面があり、史上最高値72831.73(6/22)から本日は一時62704.60円と1カ月弱で1万円超の大幅反落となった。リスク回避圧力が広がっている。
また、中東情勢の緊迫化も高まっている。米・イの停戦覚書は破棄され、米国とイランの攻撃の応酬が繰り返されている。比較的自制されているとはいえ、イランは米国が電源設備を破壊した場合は、フーシ派に紅海封鎖を行うように指示している。再び世界的なサプライチェーンが寸断されるリスクをはらんでいる。
さらに、昨日のトランプ演説では2020年の大統領選に中国による干渉があったと主張している。米中の関係悪化が再び懸念される事態となっている。
しかし、足元の為替市場では、リスク回避の円買い、有事のドル買い、安全資産としてのドル買いなどの動きは広がっていない。短期的な変動期待の参考となる通貨オプション1週間は、ドル円とユーロドルが5%割れ水準と低迷している。英政局の変化が注目されるなかでも、ポンドドル1週間は5%台後半と1カ月や3カ月とほぼ並ぶ水準に落ち着いている。
各国中銀の金融政策に明確な差異が発生することが、為替相場を動かすことが期待されるが、現時点ではそこまでの変化の兆候はみられていない。
本日は週末を控えていることもあり、積極的な為替取引は手控えられそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏経常収支(5月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP・確報値)(6月)、カナダ国際証券取扱高(5月)、米輸入物価指数(6月)、米輸出物価指数(6月)、米住宅着工件数(6月)、米鉱工業生産指数(6月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(7月)などが予定されている。米輸入物価指数は前月比-0.7%(前回+1.9%)と低下に転じる見込み。米鉱工業生産は前月比+0.2%(前回+0.1%)とプラス圏が継続する予想。米ミシガン大指数は51.0(前回49.5)に改善する見込みだ。
発言イベント関連では、来週23日のECB理事会を控えて、欧州金融当局者らが発言を控えるブラックアウト期間に入っている。チポローネECB理事はデジタルユーロについての講演予定で、金融政策関連には触れられない見込みだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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