仏国民議会、社会保障法案を可決 年内予算案成立へ前進=NY為替
NY時間の終盤に入って、ユーロドルは1.16ドル台前半、ユーロ円は182円台半ばでの推移。ユーロ円はユーロ発足以来の高値を更新している。
フランス国民議会(下院)は来年度の社会保障法案を賛成247票、反対234票で可決し、政府が懸念していた政治危機を回避した。今回の可決により、年内の本予算案承認に向けた道筋が開けた格好。
法案には、社会党への譲歩としてマクロン大統領の年金改革を一時停止する条項が盛り込まれた。政府は、同法案が否決された場合、来年の福祉予算の赤字が約100億ユーロ拡大すると警告していた。
今回の採決結果は、ルコルニュ首相への辞任要求をひとまず沈静化させることを期待させる。
政治的な行き詰まりを打開するため、野党への譲歩を戦略的に進めた首相の判断が奏功し、重要なスイング勢力である社会党の支持を取り付けることに成功した。ルコルニュ首相の前任であるバルニエ氏とバイル氏はいずれも予算を巡る対立で退陣しており、今回の法案可決は政府にとって大きな安堵材料となる。
政治的混乱はフランス資産の売りを誘発し、国債の借り入れコストを上昇させていたが、予算審議の前進を受けて、フランス国債とドイツ国債の利回り格差は一時0.7%ポイント前後と、8月以来の低水準に縮小した。
EUR/USD 1.1623 EUR/JPY 182.43 EUR/GBP 0.8742
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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