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【来週の注目材料】米雇用の弱さを受け、物価統計にも注目集まる

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【来週の注目材料】米雇用の弱さを受け、物価統計にも注目集まる

 7月28日、29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は大方の予想通り政策金利を3.50-3.75%で据え置きました。据え置きは5会合連続です。昨年12月の利下げ以降、今年に入ってすべての会合で据え置きとなっています。
市場予想は約2/3が据え置き、1/3が利上げとなっていました。投票結果は9対3でハマック・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁が利上げを主張しました。
 市場では9月の利上げを見込む動きが継続していますが、一時の100%の織り込みから、後退する動きが見られます。7日に発表された米雇用統計の衝撃的な弱さもあって、期待がさらに後退している状況。また、ウォーシュFRB議長になってFOMC声明でフォワードガイダンスを示さないなどの対応が取られ、今後については会合毎に状況次第という姿勢が示されているだけに、予想が難しくなっています。その分、金融政策に影響を与える重要な指標などへの注目が集まる形となります。

 そうした中、今週は12日に7月の米消費者物価指数(CPI)、13日に米生産者物価指数(PPI)が発表されます。米国のインフレターゲットの対象はPCE価格指数ですが、変化の傾向が似ていて、発表が早いこともありCPIは市場が最も注目する指標となっています。PPIはコストの価格転嫁などがCPIよりも早く、先行性があるといわれており、こちらも注目です。

 まずは米CPIです。7月14日に発表された6月の米CPIは前年比+3.5%、前月比-0.4%となり、5月の+4.2%、+0.5%、市場予想の+3.8%、-0.1%を共に下回る弱い伸びとなりました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も、前年比+2.6%、前月比±0.0%と、5月の+2.9%、+0.2%、市場予想の+2.8%、+0.2%を下回っています。

 ガソリン価格が5月から6月にかけて大きく低下したことが全体を押し下げました。ガソリン価格は前月比で-9.7%の大幅な低下となりました。前年が低かった分、前年比では+26.7%となっていますが、5月の+40.5%から伸びが大きく鈍化しています。電気料金やガス料金などエネルギーサービス部門が前月比-0.7%と小さい低下にとどまった分、エネルギー全体では前月比-5.7%、前年比+15.7%にとどまっています。食料品は前年比+3.0%と5月の+3.1%から小幅な鈍化です。

 食品とエネルギーを除いたコア指数では財(モノ)部門が前年比+0.8%と5月の+1.1%から鈍化しました。中古車が6か月連続で前年比マイナスとなる-1.8%でした。5月の-0.2%から下落率も広がって、全体を押し下げました。また輸入依存度の高さもあって前回前年比+4.8%と高く出たアパレルが+3.9%まで鈍化しました。前月比では+0.3%から-0.6%に低下しています。中でも、貴金属価格の上昇などもあって5月は前月比+3.7%、前年比+21.4%とかなり高く出た宝飾品が前月比-6.0%、前年比+14.1%となったことが全体を押し下げています。

 コアサービス部門は前年比+3.2%とこちらも5月の+3.4%から鈍化しました。CPI全体の35.6%、コアサービスの中では58.6%を占める大きな項目である住居費が前年比+3.3%と5月の+3.4%から鈍化し、全体を押し下げました。医療サービスの鈍化、このところ弱さが見られる自動車保険が前年比-4.1%と低下したことも押し下げ要因です。

 こうした状況を受けて今回の市場予想は前年比+3.5%と6月から横ばい、前月比は+0.2%で前回のマイナスから回復が見込まれています。コア前年比は+2.5%と6月から鈍化、コア前月比は+0.2%で前回の±0%からやや上昇する見込みです。

 6月から7月にかけて米国のガソリン価格は小幅な鈍化となりました。EIA(米エネルギー情報局)の全米全種平均価格をみると、5月から6月が前月比-9.2%となっているのに対して、6月から7月は前月比-2.9%まで落ち着きました。昨年も6月から7月にかけてガソリン価格がやや下がっていますので、前年比でみると5月の+40.6%から6月が+27.7%まで鈍化したのに対して、7月は25.0%と小幅な鈍化にとどまりました。

 コア項目は中古車などの厳しい状況の継続が見込まれることなどが重しとなっています。ただ、米調査会社による7月の既存店売り上げは比較的好調となっているだけに、予想外に力強さを見せる可能性もあり、要注意です。

 米PPIは前年比で鈍化しているものの、前月比ではややしっかりした数字が見込まれます。6月は前年比+5.5%と市場予想の+6.2%を大きく下回り、5月の6.0%から伸びが鈍化しました。5月分も6.5%から6.0%へ下方修正されています。前月比は-0.3%と、こちらも市場予想の±0%から予想外の低下となりました。低下率は2025年4月以来となります。また5月分も+1.1%から+0.6%に下方修正されています。食品とエネルギーを除いたコア前年比は+4.7%とこちらも市場予想の+5.1%を大きく下回りました。コア前月比は+0.2%で市場予想の+0.3%を小幅ながら下回っています。

 CPI同様にガソリンをはじめとするエネルギー関連の下げが全体を押し下げました。コア項目ではAI関連の力強い伸びもあり、航空運賃、宿泊費などの鈍化による全体の伸び鈍化を押しとどめて底堅さにつながりました。

 今回の市場予想は前年比+4.9%、コア前年比が+4.1%と伸び鈍化が継続する見込みです。ガソリン価格の落ち着きが全体を支えるものの、2025年7月の数字がかなり高かったことで、前年比ベースでの伸びが抑えられそうです。2025年は6月が前年比+2.4%に対して、7月は+3.2%、8月は+2.7%、コアも6月が+2.7%に対して7月が+3.5%、8月が+2.9%となっており、7月が高くなっていたため、前年との比較で今回の伸びが抑えられそうです。

 相場への影響という面では、ともに予想を下回った場合が注目されます。物価高警戒が落ち着くようだと、9月の米利上げ期待が後退します。9月の日銀の利上げ期待が高まりつつある中で、米国の利上げ期待が後退すると、日米金利差の縮小期待からのドル売り円買いが広がる可能性があります。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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