ドル円は157円台で上下動 底堅い動きは続く=NY為替概況
ドル円は157円台で上下動 底堅い動きは続く=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は157円台で上下動したものの、底堅い動きは続いている。158円台を何度か試す動きが見られたものの、157円台後半の水準で上値を止められている。ここ数日の急速な上昇に、過熱感も高まっており、そろそろ上値も重くなって来ているようだ。
来年は円高を期待する向きも少なくないようだ。米大手銀が今週公表していた11月のファンドマネジャー調査によると、足元では円安が急速に進んでいるものの、2026年には円が最もアウトパフォームする通貨になるとの見方が強まっているという。
この日発表の9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)は予想を上回ったものの、失業率が上昇したほか、前回分が減少に下方修正されたこと、そして平均時給の鈍化傾向も示した。FRBの利下げ期待もやや上昇したものの、据え置きの見方を変えるには至っていない。
本日の9月の米雇用統計はかなり前に収集されたデータでもある。10月分も完全な形では発表されず、11月のデータも12月16日(火)の発表になることから、FOMC後になる。そのような中、ドルはFOMCまで方向感に欠く展開になる可能性があるとの指摘も出ていた。
ユーロドルはNY時間に入ってやや買い戻しが出ていたものの、1.15ドル台前半の狭い範囲での上下動となった。下向きの流れが続いているものの、節目の1.15ドル台は維持されている状況。一方、ユーロ円は182円台を一時付けたものの、その後は伸び悩む展開。
FRBの12月利下げ期待が後退していることで、ドル高が優勢となる中、ユーロドルは軟調な動きが続いている。しかし、アナリストからは、「現在のユーロドルは金利差で正当化される水準よりも下にある」との指摘が出ている。ユーロドルは適正水準から2%過小評価されており、1.15ドルを下回る下落は持続しないはずだという。
ポンドドルは一時1.31ドル台を回復していたものの、再び1.30ドル台に値を落とす展開。1.30ドル台は維持しているものの、上値は依然として重く、21日線の下での推移が続いている。英中銀の追加利下げ期待と来週の予算案の発表を控えて、1.30ドル割れを試す動きが続いている。一方、ポンド円は206円台後半まで上昇し、昨年7月以来の高値水準を更新していたが、206円ちょうど付近に伸び悩む展開。
アナリストは、来週26日にリーブス英財務相が公表する秋の予算案で、想定以上の増税が盛り込まれた場合、ポンドは再び下落リスクに直面すると指摘している。相反する事前報道が相次ぎ、今回は前例のないほど不透明感に包まれている。
その上で、同アナリストは最も可能性が高い推計として、「リーブス財務相は2029-30年度までに年400億ポンドの追加歳入を確保しようとしており、そのほぼ全てを増税で賄う」との見方を示している。これは市場の想定をやや上回るという。
【お詫び】
前日の11月19日付のNY為替およびNY為替概況のニュースの中で、12月5日に11月分の米雇用統計を発表とお伝えしましたが、正しくは12月16日(火)の発表でした。お詫びして訂正致します。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。