ドル円、高市発言で急速に円高の反応 ドル高が優勢=NY為替序盤
きょうの為替市場は海外時間に入ってドル高が優勢となっている。ドル円は東京時間に152円台半ばに伸び悩んでいたものの、一時153円台に再び上昇。円安も去ることながら、ドル高が強まっている面もありそうだ。
自民党の高市総裁の発言がNY時間に入って伝わっていたが、ドル円は敏感に反応し、急速に円高の反応が見られている。ドル円は152円台前半に急速に下落。
高市総裁は自身の経済政策に関し、「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」と述べた。「政府・日銀のアコードは直ちに見直しが必要と考えてない。私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない。円安はいい面も悪い面もある」などとも語っていた。
特段、これまでの発言と変化はないものと見られるが、そろそろドル円もここ数日の急速な上昇で上値が重くなってきているのか、敏感に反応していたようだ。
ドルについてはファンド勢がドルに強気姿勢を強め、ドルの反発が年末まで続くと見込むポジションをオプション市場で拡大しているとの指摘も聞かれる。ドル高を見込むポジションはドル安を見込むポジションよりも取引量が3倍に達したとの報告も流れていた。豪ドルを除いたG10通貨の大半に対してドル高を見込んでいるとの指摘も出ている。
政治・財政的な懸念がドル以外の主要通貨を圧迫する中、ドルが消去法的に買われている面もあるものと思われる。日本では、高市氏の自民総裁選の勝利をきっかけに、財政・金融の緩和策への不安から円安が加速しているほか、フランスでは、就任から1カ月足らずでルコルニュ首相が辞任し、難航する予算協議を背景に政治的混乱が再燃。ユーロの重しとなっている。英国では、11月の秋季予算案の発表を前に財政の持続性への懸念が広がっており、ポンドの上値を抑えている。
米国も政府機関閉鎖や財政問題がクローズアップされてはいるものの、すでに認識されていることでもあり、新鮮味という点でドル以外の通貨に焦点があたっているものと思われる。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
9日(木)
現行付近にはなし
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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