超長期国債利回り急落を受けた円売り進む=東京為替概況
超長期国債利回り急落を受けた円売り進む=東京為替概況
27日のドル円は米財政赤字警戒によるドル売りが優勢となり、午前中に142円80銭台から142円12銭まで下落。142円00銭手前の買いが支えも、戻りが鈍く、昼過ぎまで142円40銭前後での推移となった。
その後日本超長期国債利回りの急落を受けて円売りとなった。通信社ロイターや日経新聞が財務省が25年度国債発行計画の年限構成を近く再検討、来月20日の金融機関とのミーティングなどにより判断との報道を出し、市場ではここにきて需要の減退が目立つ超長期債券発行額の減額観測が広がった。
超長期国債利回りはこの報道を受けて急落。20年債利回りは昨日の2.52%台から少し下げて、2.43%台を中心とした推移が朝から続いていたが、報道後2.312%まで低下。30年債、40年債などの利回りも同様に大きく低下した。10年債利回りも連れて低下していたがある程度に留まっている。
この動きを受けてドル円は急騰。143円台に一気に上昇すると、その後も買いが強まり143円44銭を付けた。その後少し調整が入っている。
ユーロ円は午前の円高に朝の162円64銭から162円09銭を付けていたが、日本の超長期国債利回り低下を受けて163円09銭と約1円の上昇。ポンド円が193円07銭の安値から194円27銭を付けた。
ユーロドルは東京午前のドル安円高局面でドルがほぼ全面安となったこともあり、朝の1.1380台から1.1407を付けていたが、その後ドル円の急騰を受けたドル高に1.1367を付けた。米債利回りも日本国債に連れて利回り低下(債券価格上昇)となっており、米国のトリプル安警戒が後退、米株の上昇などが見られたことがドル買いにつながった。ポンドドルも同様の動き、朝の1.3560前後から午前のドル安で1.3587を付けるも、日本超長期国債利回り低下をきっかけとしたドル高に1.3539まで急落。その後1.3560台回復と荒っぽい高下となった。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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