リスク動向まちまち、株高も為替は円買い優勢 ドル円一時142円台=ロンドン為替概況
リスク動向まちまち、株高も為替は円買い優勢 ドル円一時142円台=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、やや円高の動き。ドル円は143円台半ばから142円台後半まで下押しされた。クロス円は円売りの動きは続かず、売買が交錯。ユーロ円は162円台後半から一時162円台割れ。ポンド円は比較的強く、189円台後半に買われたあと189円台割れとなるも再び189円台に戻している。トランプ米大統領が自動車関税に対応してメーカーに支援策を検討していることが好感されており、欧州株は自動車株主導で買われている。相互関税からスマホや電子機器などを対象外とし、新たに半導体関税を導入としたことも関税措置の緩和と捉えられているようだ。ドル安の動きは一服しており、ユーロドルは1.13台での上下動に終始している。一方、「中国、国内航空会社にボーイング機の受取停止を指示 貿易戦争が拡大」とブルームバーグが報じたことは不安材料。また、この日発表された4月ドイツZEW景況感指数はマイナス14と前回の51.6から大幅に落ち込み、市場予想10.0も下回った。独ZEWは米相互関税および米貿易政策の不規則な変化がドイツ経済に重くのしかかっているとした。先週のようなパニック的な相場は落ち着いたが、今後への不透明感は継続している。そのなかで、ポンドは堅調。ヴァンス米副大統領が「英国と非常に懸命に取り組んでいる、英国と貿易協定が成立する可能性は非常に高い」と東京午後に報じられたことが支援材料となっていたようだ。ポンドドルは節目の1.32台に乗せて、1.32台半ばへと一段高になっている。
ドル円は143円付近での取引。神経質に振幅するなかで、ロンドン時間には円高の動きに押されている。東京午前の143.59近辺を高値に、ロンドン序盤には一時142.69近辺まで安値を広げた。米中貿易戦争が警戒されていた。また、17日から始まる日米貿易協議を控えて期待と不安が交錯しているようだ。
ユーロドルは1.13台前半での取引。東京午前の1.1316近辺を安値に、ロンドン序盤の1.1379近辺を高値とするレンジ取引が続いている。ユーロ円はロンドン朝方に162.80近辺まで買われた後は、161.79近辺まで安値を広げた。対ポンドでのユーロ売り圧力も加わっており、ややユーロは上値重く推移している。独ZEW景況感指数は予想外のマイナスに落ち込んだ。米相互関税や米貿易政策の不規則な変化がドイツ企業経営に影と落としている。
ポンドドルは1.32台前半での取引。東京午前の1.3164近辺を安値にロンドン市場では1.3252近辺まで高値を伸ばしている。1.3200の節目水準を上回り、上昇に弾みがついた。東京昼過ぎに「英国と非常に懸命に取り組んでいる、英国と貿易協定が成立する可能性は非常に高い」とのヴァンス米副大統領発言が伝わったこともポンド買い材料だった。ユーロポンドは一貫して売られており、0.85台後半に下落している。今日の英雇用統計は強弱感が分かれたが、あすには英消費者物価指数が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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