【これからの見通し】神経質に振れる相場展開、4月2日の米関税発動視野に きょうは英国発の材料に注目
【これからの見通し】神経質に振れる相場展開、4月2日の米関税発動視野に きょうは英国発の材料に注目
今日の東京市場ではドル円やクロス円が堅調に推移している。ただ、ドル円は前日海外市場での下げを戻すにとどまっており、一段の上値追いには至っていない。神経質に上下動を繰り返しながら水準を上げてきている印象だ。
植田日銀総裁発言が多く伝えれているが、「経済物価見通しが実現していけば引き続き利上げ」との基本線が守られている。ただ、そのなかで「食品インフレが一時的なものであれば、金融政策で対応すべきではない」と述べており、急いで利上げする必要はないと市場は捉えているようだ。
また、きょうはグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言が伝わっていた。「経済の不確実性により、次回の利下げには予想よりも時間がかかる可能性」「連銀は2023年と2024年に見られた黄金の道をもはや歩んでいない」とのメッセージだった。これもしばらくは政策金利を据え置くとの発言と捉えられていた。
加えて、東京午前は月末や期末を意識した外貨需要の観測もあり、ドル円やクロス円の上昇につながっていたようだ。
ドル相場全般には方向性が乏しく、4月2日の英関税発動をめぐる不透明感でドル買い・ドル売りどちらにもポジションを傾けにくい地合いとなっているようだ。
この後の海外市場では、英国関連の材料が注目される。まずは日本時間16時発表の英消費者物価指数を確認したい。前年比の予想は+3.0%と前回並み。コア前年比は+3.6%と前回+3.7%から若干の鈍化。サービス全前年比は+4.9%と前回の+5.0%から若干の鈍化が予想されている。いずれの水準も物価目標からは遠い水準に高止まりしており、英消費動向にはマイナスの数字となりそうだ。
そして、日本時間21時にはリーブス英財務相が予算案提出・英予算責任局(OBR)春季経済予測公表される。歳出削減や4月からの企業負担増、最低賃金引き上げなどが盛り込まれる見込み。予算の前提となる経済予測では成長率の引き下げが想定されている。かなりポンド相場にとってはネガティブな内容となりそうだ。ただ、市場の織り込みは進んでおり、反応は一時的にとどまる可能性もある。ポンド独自の値動きが持続するのかどうか、NY市場での動向も含めて確認したい。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、英消費者物価指数(CPI)(2月)、英小売物価指数(RPI)(2月)、フランス消費者信頼感指数(3月)、米MBA住宅ローン申請指数(03/15 - 03/21)、米耐久財受注(速報値)(2月)など。米耐久財受注は前月比-1.0%と前回の+3.2%から落ち込む見込み。輸送機器除く前月比は+0.2%と前回の横ばいから上昇する見込み。
発言イベント関連では、上記の英予算案関連が注目されるが、そのほかにはビルロワドガロー仏中銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、、クノット・オランダ中銀総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、チポローネECB理事などの講演などが予定されている。米2年変動利付債(FRN)(280億ドル)と米5年債入札(700億ドル)が実施される。米週間石油在庫統計が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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