FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年12月10日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):RBA政策金利を据え置き
(2):日銀総裁 長期金利の上昇に警戒感
(3):JOLTS求人件数 予想を大幅に上回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドットチャートに注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場

期間:9日(火)午前7時10分~10日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA政策金利を据え置き
豪中銀(RBA)は政策金利を全会一致で3.60%に据え置いた。声明で「最近のデータはインフレリスクが上振れ傾向にあることを示唆しているが、インフレ圧力の持続性を評価するにはもう少し時間がかかる」と表明。その上で「慎重な姿勢を維持することが適切と判断した」として事実上の利下げサイクル終了を示唆した一方で、利上げについては急がない姿勢を示した。来年の利上げ転換を豪金利市場が織り込みつつあったことから、RBAは期待したほどタカ派に傾斜しなかったと受け止められて、豪ドル売りが先行したが一巡後に持ち直した。その後、ブロックRBA総裁は会見で「利下げの見通しが当面存在するとは考えていない。長期にわたり政策金利を据え置くか、それとも利上げがあり得るかという問題だ」などと発言。将来的な利上げ期待が復活し豪ドルも上昇に転じた。その結果、豪ドル/円はNY市場で104.39円前後まで上伸して昨年7月22日以来、約1年5か月ぶりの高値を付けた。
(2):日銀総裁 長期金利の上昇に警戒感
日銀の植田総裁は「現時点で特に基調インフレが加速するリスクはそれほど高くないと見ている」としながらも「為替レートが物価に与える影響を注視している」となどと述べた。円安の進行をけん制したとの見方から、市場はやや円買いに傾いた。なお、これより前に植田総裁は国会で、最近の長期金利について「やや速いスピードで上昇している」とした上で「通常の市場の動きと異なる形で長期金利が急激に上昇するといった例外的な状況では、市場における安定的な金利形成を促す観点から機動的に国債買い入れ増額などを実施する」と発言。長期金利の上昇に警戒感を示したとの見方から円売りが先行していた。
(3):JOLTS求人件数 予想を大幅に上回る
米10月JOLTS求人件数は767.0万件と市場予想(711.7万件)を大幅に上回った。米政府閉鎖の影響で発表が遅れていた9月分の求人件数も同時に発表され、765.8万件とこちらも市場予想(719.8万件)を大幅に上回った。これを受けて米10年債利回りが上昇する中、ドル買い・円売りが優勢となった。
9日(火)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:ドットチャートに注目
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)の将来の利下げペースが予想よりも緩やかなものになるとの見方から米長期金利の上昇を背景に約2週間ぶりとなる156.95円前後まで上値を伸ばした。なお、昨日は円売り圧力も強く、ユーロ/円は史上最高値を更新、ポンド/円は約17年4カ月ぶりの水準まで上昇した。 本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)後に政策金利が発表される。市場はすでに今回の25bp(0.25%ポイント)利下げを織り込んでおり、関心は同時に発表されるメンバーの金利予測(ドットチャート)やパウエルFRB議長の会見に向いている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では26年に2回の利下げ(25bp×2)を織り込んでいることから、ドットチャートの中央値が2回以上の利下げを示すかどうかが焦点となる。
注目の経済指標:FOMC

注目のイベント:FOMC金利予測
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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