FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年12月4日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月4日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼3日(水)の為替相場
(1):豪GDP 12期連続プラス成長
(2):ADP全国雇用者数 減少
(3):ECB総裁 議会証言
(4):ISM非製造業 9カ月ぶり高水準
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:156円に接近すれば上値が重くなる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(水)の為替相場

期間:3日(水)午前7時10分~4日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDP 12期連続プラス成長
豪7-9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.4%と市場予想(+0.7%)を下回ったものの、12四半期連続のプラス成長となった。前年比は+2.1%と予想(+2.2%)を下回ったものの、2023年4-6月期以来の高水準となり、豪中銀(RBA)の成長予測の2.0%を上回った。その後発表された中国11月RatingDogサービス業PMIは52.1と予想通りに前月(52.6)から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。
(2):ADP全国雇用者数 減少
米11月ADP全国雇用者数は3.2万人減と市場予想(1.0万人増)を下回り、減少幅は2023年3月以来の大きさとなった。前回10月分は4.2万人増から4.7万人増へ上方修正された。
(3):ECB総裁 議会証言
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は欧州議会での証言で、「インフレ率は2%付近にあり、コアインフレ率は中期的なゴールと一致する」「インフレは今後数カ月2%付近で推移すると予想」との見通しを示した。一方で、世界の通商政策が不安定なことを挙げ「先行きリスクは依然として上下双方向にある」として、新たな課題が生じた場合は柔軟に対応し、必要に応じて新たな政策手段を検討する姿勢を示した。
(4):ISM非製造業 9カ月ぶり高水準
米11月ISM非製造業景況指数は52.6と市場予想(52.0)に反して前月(52.4)から上昇し、9カ月ぶりの高水準となった。構成指数では仕入れ価格が65.4と予想や前月(68.0、70.0)を大きく下回り7カ月ぶりの水準となった。また新規受注は52.9と前月(56.2)から低下したものの、好不況の分岐点となる50.0を上回った。雇用は48.9と前月(48.2)から若干改善した。
3日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:156円に接近すれば上値が重くなる
昨日のドル/円は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が一段と高まったことから一時155.01円前後まで下落。終値は前日比約0.4%安の155.22円前後だった。米11月ADP全国雇用者数が3.2万人減となり、労働市場の軟化が改めて意識された。米11月ISM非製造業景況指数で仕入れ価格指数が低下し、インフレ再加速への懸念が和らいだことも相まってドルが下落した。もっとも、米金利市場はすでに来週の25bp(0.25%ポイント)利下げを9割方織り込んでいたことから、ドル売りに心理的節目の155.00円を割り込むほどの勢いはなかった。本日のNY市場では米11月チャレンジャー人員削減数と米新規失業保険申請件数の発表が予定されている。引き続き米労働市場の軟化を示せばドルが続落することも考えられるが、もはや利下げの織り込み余地はほとんど残っていないだけにドル/円の下値余地も限定的だろう。今月1日に付けた154.66円前後の水準は下値支持として機能しそうだ。その反面、仮に反発しても156円に接近すれば上値が重くなるだろう。
注目の経済指標:米経済指標

注目のイベント:ECB高官発言
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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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