【直前まとめ】関連指標は厳しい数字目立つ=米雇用統計
本日21時半に8月の米雇用統計が発表される。前回7月分は失業率が予想外に悪化、非農業部門雇用者数も予想を大きく下回る伸びにとどまるなど、サプライズな弱さとなった。今回も関連指標には厳しい数字が目立っている。今回の雇用統計の結果次第で今月19日、20日の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ期待にもつながるだけに注目を集めている。
まずは前回の振り返り。前回7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+11.4万人と、市場予想の+17.5万人を大きく下回った。また、6月分も+20.6万人から+17.9万人に下方修正されている。失業率は4.3%と、6月の4.1%から悪化した。予想は4.1%での横ばいとなっていた。この失業率悪化を受けて、景気後退のサインとされるサームルール
(失業率の直近3カ月の平均が、過去12カ月で最も低い水準から0.5%を超えた場合、米国はリセッションに入る)に抵触したことも話題になった。
前回のNFPは民間部門の雇用者数が+9.7万人と、10万人を下回っている。製造業はわずか0.1万人増。サービス行は情報産業が2万人減と厳しい数字。教育・医療が+5.7万人、飲食含む娯楽・接客が+2.3万人とまずまずも、強くはないという水準。そのほか、小売業が+0.4万人に留まるなど総じて弱さが目立った。
今回の関連指標は週間ベースの新規失業保険申請件数が基準日12日を含む週の比較で7月より8月がやや強く、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は雇用部門がやや弱めとなった。
ISMは製造業が予想を下回り、サービス業が予想を上回るも、サービス業は雇用部門が弱く出ている。ADP雇用者数はやや低い伸びとなっている。7月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は767.3万人と予想の810万件前後を大きく下回り、2021年1月以来の低水準となった。810万件、前回値も790万件と速報時の818.4万件から下方修正された。ADP雇用者数は14.5万人増の予想に対して9.9万人増にとどまった。
こうした状況を踏まえ、今回の予想をみると、非農業部門雇用者数が+16.5万人と前回から伸びが強まる見込み。ただ、コロナ前の10年間(2010年-2019年)の月平均+18.3万人を下回っており、水準的にはやや低めという印象。前回悪化した失業率は今回4.2%と小幅改善見込み。
FOMCでの大幅利下げ実施の可能性をにらみ、弱めの数字に対する警戒が強くに強い。ただ、上振れ期待も一部であり、結果次第という面が大きい。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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