アジア株は全面安、米国と中国の景気減速懸念広がる エヌビディアに翻弄される台湾と韓国
アジア株は全面安、米国と中国の景気減速懸念広がる エヌビディアに翻弄される台湾と韓国
東京時間11:00現在
香港ハンセン指数 17375.65(-275.84 -1.56%)
中国上海総合指数 2785.91(-17.07 -0.61%)
台湾加権指数 21315.72(-776.49 -3.51%)
韓国総合株価指数 2604.53(-60.10 -2.26%)
豪ASX200指数 7961.50(-141.73 -1.75%)
アジア株は全面安、きのうの米株大幅下落が嫌気されている。週明けからの中国景気減速懸念に加え米国の景気先行き懸念も高まっている。
きのう発表された米経済統計は総じて弱い内容となった。ISM製造業景気指数は予想を下回り、建設支出は予想外の減少、製造業PMI確報値は下方修正された。低調な経済統計をきっかけにエヌビディア株が調整売りに押され急落した。特に目立った悪材料はない。年初来150%近くも上昇していたため今週末の米雇用統計を前に売りが強まっているもよう。エヌビディア株は9.5%安で取引を終え、日本円でおよそ40兆円が吹き飛んだ。1銘柄として過去最大を記録。
中国では相次ぐ不動産支援策にもかかわらず、8月は住宅販売が不振だったほか不動産大手の四半期決算が赤字に転落、大手銀行も利益が減少した。さらに、消費者の節約志向が一段と強まっていることから、都市部でレストランやアパレルの閉店が相次いでおり、消費低迷・デフレも懸念されている。きょう発表された中小企業を対象とした財新の8月非製造業PMIは51.6と予想以上に縮小した、前月は52.1だった。
豪州株は一時、下落率が2%を超え8月16日以来の安値をつけた。素材やエネルギー関連がほぼ全面安。中国景気減速懸念で原油や鉄鉱石など商品価格の下げが懸念されている。NY原油価格は時間外で今年1月以来となる70ドル台割れ。
香港株は大幅続落、2週間ぶり安値をつけている。原油安を受け中国石油天然気や中国海洋石油、中国石油化工などエネルギー関連が大幅安。シャオミやネットイース、レノボ、バイドゥ、JDドットコム、アリババなどハイテク関連も総じて下落。上海株も続落、2月以来の安値をつけている。素材やエネルギー関連がほぼ全面安。ハイテクや公益関連も軒並み下落。きのうまで下落していた不動産株は買い戻されている。
韓国と台湾は大幅安、ともに8月5日以来の大幅な下げを記録。台湾株は一時5%超下落した。エヌビディア株安を受け半導体などハイテク関連の下げがきつい。
韓国市場ではSKハイニックスが6.4%安、サムスン電子は2.6%安、LGディスプレイは2.5%安。台湾市場では創意電子が6.6%安、祥碩科技は6.5%安、世芯電子が6.4%安、聯発科技が4.9%安、TSMCが4.6%安、華邦電子は4.3%安。聯華電子は3.3%安。
執筆者 : MINKABU PRESS
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