ポンドが堅調、対ドルで年初来高値更新、英米の利下げ温度差で=ロンドン為替概況
ポンドが堅調、対ドルで年初来高値更新、英米の利下げ温度差で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ポンドが堅調。先週末のジャクソンホール会議でパウエル米FRB議長が9月利下げを明示したのに対し、ベイリー英中銀総裁は利下げに対する積極姿勢が示されなかったことが引き続きポンド買い圧力となっている。ポンドドルは1.31台後半から一時1.3247近辺まで買われ、年初来高値を更新した。ECBも9月利下げが期待されており、対ユーロでもポンド買いが進行している。ユーロドルは一時1.1179近辺まで買われたが、1.11台後半での揉み合いを脱してはいない。ポンド円は190円台後半から192円手前まで買われた。ユーロ円も一時162円台に乗せたが、その後は161円台後半に押し戻されている。欧州株は堅調に取引を開始したが、次第に上げ幅を縮小している。この日のスターマー英首相演説では、「10月の予算は痛みを伴う」「長期的な利益のために短期的な痛みを受け入れるよう、国民に大きなお願いをしなければならないだろう」としており、その後はポンド買いの勢いは一服している。ドル円相場は一時145.18近辺と高値を伸ばしたが、足元では144円台後半での揉み合いに落ち着いている。
ドル円は144円台後半での取引。東京朝方の144.24近辺を安値に、その後は底堅く推移している。145円手前で売買が交錯したあと、ロンドン序盤には145円台乗せから145.18近辺まで買われた。しかし、その後は上値を抑えられ144.80付近に落ち着いている。米10年債利回りは3.84%台へと反発している。
ユーロドルは1.11台後半での取引。東京早朝の1.1158近辺を安値に、その後はじり高となった。ロンドン序盤にはポンドドルの上昇とともに買われ、高値を1.1179近辺に伸ばした。しかし、1.12台を試す勢いには欠けており、1.11台後半で売買が交錯している。ユーロ円は東京朝方の161.06近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には162.18近辺に高値を更新した。ただ、ユーロ自体の買い圧力は乏しく、対ポンドでは軟調に推移している。
ポンドドルは1.32台前半での取引。東京午前に1.3180近辺まで下押しされたあとは、買いが強まった。ロンドン序盤には1.3247近辺まで買われ、年初来高値を更新している。その後は買い一服となり1.32台前半で推移している。ポンド円は東京朝方の190.25近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には191.92近辺まで高値を伸ばした。その後は191.50割れ水準へと小反落している。ユーロポンドは0.8460台から0.8430台まで下押しされている。全般的にポンドが堅調に推移している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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