ユーロドル、パリティになるのは最悪のシナリオのみ=NY為替
きょうのNY為替市場、米消費者物価指数(CPI)の発表を受けてドル売りが強まっており、ユーロドルは買いが優勢となっている。一時1.09ドルちょうど付近まで上昇したが、その付近での上値抵抗も強く、現在は1.0870ドル付近に伸び悩む展開。1.09ドル台は6月初めに上値を拒まれた水準で、売りオーダーも多数並んでいるようだ。明日以降、その水準を突破して行けるかが目先の注目となる。
リバウンド相場の展開となっているユーロドルだが、長期的には弱気な見方も少なくない。ユーロとドルが同水準になる、いわゆるパリティ(1.00ドル)をいずれ目指すとの見方も根強くある。ただし、パリティになるのは全てが上手く行かない極端な最悪のシナリオのみとの見解も出ている。一部のアナリストはパリティに導く新たなシナリオを探し続けている。その分析は必ずしも間違ってはいないが、多くの場合、全てが上手く行かないことを前提にしているという。例えパリティになったとしても、それは短期間で終了するとも述べている。
ケースとしては、米中間の新たな貿易戦争が最悪のシナリオの1つになる可能性がある。ただし、パリティへの持続的な下落は2016年の前回の貿易戦争で見られたよりも強い保護主義を必要とするという。2022年に一時的にパリティを割り込んだが、それはウクライナ戦争によるもの。ユーロ発足後20年間ユーロはドルに対して優位性を保っていたが、ウクライナ戦争以外でパリティを割り込んだのは、ITバブル崩壊後の2002年7月だけだという。
EUR/USD 1.0868 EUR/JPY 172.37 EUR/GBP 0.8416
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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