【これからの見通し】今週は米雇用統計を控えてドルが反落、きょうも調整含みに
【これからの見通し】今週は米雇用統計を控えてドルが反落、きょうも調整含みに
今週はドル高の流れに調整が入っている。ドル指数は3月8日を直近のボトムとして4月にかけて上昇を続けた。その背景には、一連のインフレ指標が粘着性を示したことで、年内3回利下げとの直近米FOMCでの金利見通しよりも、少ない回数の利下げにとどまるとの見方がある。
昨日はパウエルFRB議長が年内の利下げ開始について従来からの見方を崩さなかったことや、米ISM非製造業景気指数が予想を下回ったことなどがドル売りを誘っていた。今週金曜日発表の米雇用統計が注目されるなかで、これまでのドル買いポジションに調整が入りやすいタイミングであることも指摘されよう。
ドル円相場にとっては152円ちょうどが上値の壁となっている。ドル買いや円売りの動きは、政府・日銀の介入警戒によって抑制されている状況だ。ただ、明日の米雇用統計の結果が強ければ、市場にドル買いの動きを巻き起こすことが予想される。介入警戒感が一段と強まることから、ドル円相場のボラティリティーが急上昇する可能性があり、注意したい。
この後の海外市場では、欧州・ロンドン市場でフランス、ドイツ、ユーロ圏、英国などの非製造業PMI確報値(3月)、英DMP調査1年インフレ予想(3月)、ユーロ圏生産者物価指数(2月)などが発表される。NY市場では米新規失業保険申請件数(03/24 - 03/30)、米貿易収支(2月)、カナダ国際商品貿易(2月)などが発表される。
発言イベント関連では、ECB議事録(3月7日開催分)の公表、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁など一連の米金融当局者の講演や討論会参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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