岸田首相の会見からは、日銀も当面は慎重姿勢を継続しそうな気配も=NY為替
その後もドル円は151円台前半での膠着した値動きが続いている。前日は財務省が円安けん制に対する語気を強めたことで、円が急速に買い戻された。一時151円ちょうど付近まで下落していたが、それ以上の下押しはなく、151円台での推移が続いている。
財務省のけん制強化で152円に心理的な壁を形成したことは間違いなさそうだが、152円の上値抵抗を維持できるのはファンダメンタルズが最終的に支持する場合だけで、FRBが高金利を当面維持し、ドル高の流れが更に強まった場合、財務省が152円より上で実弾介入を実施したとしても、一時的な動きに留まるとの見方も多い。
岸田首相が本日夜に会見を行い、デフレ脱却の見通しについて「道半ば」とした上で、デフレを後戻りさせないことに政権の存在意義があるとの見解を示した。「抜け出すチャンスをつかみ取れるか、後戻りしてしまうか。これからの対応次第だ」と述べ、数十年に一度の正念場にあるとの認識を示した。
日銀は今月の決定会合で「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」と述べ、マイナス金利を解除したが、今後については慎重姿勢を強調していた。市場では年内の追加利上げの観測も浮上しているようだが、本日の岸田首相の会見からは、まだデフレから完全に脱却したとは認識しておらず、日銀も当面は慎重姿勢を継続しそうな気配だ。
USD/JPY 151.25 EUR/JPY 163.26
GBP/JPY 191.02 AUD/JPY 98.54
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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