ドル安が優勢 ドル円も一時150円を割り込む=NY為替概況
ドル安が優勢 ドル円も一時150円を割り込む=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル安が優勢となり、ドル円も緩やかな売りに押され150円を割り込んでいる。ただ、150円を割り込むとオプション絡みの買いなども観測され、150円を下放れる動きまでは見られていない。
先週の予想を上回るインフレ指標の発表により、FRBの早期利下げ期待は後退。年内の累計の利下げ幅の見通しも1.00%ポイントを下回っている状況となっている。一時は1.50%ポイントまで期待が高まっていた。そのような中でドル高を期待する声は根強く、ドル円は底堅い展開が続くと見ている向きも少なくないようだ。今週は主要な米経済指標の発表も少なく、手掛かり材料難ではある。
先週のインフレ指標は、FRBがより長い間忍耐強い姿勢を維持する可能性が示唆されたが、その忍耐強さは多くの投資家にまだ共有されておらず、為替市場ではドルショート戦略が見直されているとの指摘が一部から出ている。データ発表が続いた先週を総括すると、FRBはいまのところ慎重なスタンスを維持することに関心が向いていると結論づけざるを得ない。いずれにせよ、今後数日間でドルロングの整理が進むと予想されるという。
ユーロドルは買い戻しが膨らんでいる。一時1.0840ドル付近まで上昇し、200日線の水準を回復する場面も見られた。ただ、ユーロドルの先行きに弱気な見方も出ている。3カ月、6カ月、12カ月先の見通しを、それぞれ従来の1.10、1.12、1.12ドルから1.08ドルに引き下げた。ただ、取引レンジは広いと見ているという。
ユーロ圏の景気は第2四半期に改善が見込まれ、ユーロドルも短期的に1.10ドルを上回る可能性があるが、その勢いは長続きしそうにないという。1.10ドルを持続的に上回るには十分な支援材料とはならないだろうと述べている。米経済は引き続き堅調で、ソフトランディングに向かっていることもユーロドルの上値を圧迫。
ポンドドルは買い戻しが見られ、一時1.2630ドル付近と1週間ぶりの高値に上昇した。21日線を一時上回る場面も見られていたが、ポンドドルは上値は重くなっているものの、200日線の水準はしっかりと維持している。
きょうはベイリー英中銀総裁ら複数の委員が議会証言を行っており。ベイリー総裁は「利下げを支持する前にインフレが目標の2%まで低下する必要はない」と述べた。また、「投資家が今年中に政策変更を期待するのは不合理ではない」とも示唆していた。そのうえで、「いつ、どの程度緩和するかは、粘り強いインフレへの取り組みがさらに進展するかどうかにかかっている」とも付け加えた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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