円売り強まる、日銀は緩和継続姿勢を堅持 介入はゼロ ドル円150円台後半へ=ロンドン為替概況
円売り強まる、日銀は緩和継続姿勢を堅持 介入はゼロ ドル円150円台後半へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円売りが強まっている。この日の日銀決定会合ではYCCの柔軟化が発表されたが、前日の日経報道で織り込み済みだった。むしろ、市場の一部にはマイナス金利解除やYCC撤廃といった声もでていたことで、一気に円売りが広がった。ロンドン朝方には植田日銀総裁会見が行われ、従来からの緩和継続姿勢が堅持されていることを印象付けた。また、財務省が外国為替平衡操作の実施状況 (9月28日-10月27日)をゼロと公表。10月3日のドル円急落が介入ではないことが判明した。これを受けて150円台に乗せていたドル円は一時150.76近辺まで一段と買われている。その後も高止まり。ロンドン時間に入るとクロス円も一段と上昇。ユーロ円は160円台後半へ、ポンド円は183円台後半へと上伸している。米債利回りが低下したことで、ユーロドルが1.06付近から1.06台後半へ、ポンドドルが1.21台半ばから1.22ちょうど付近へと上昇したことも、クロス円上伸に寄与した。欧州株は米株先物・時間外取引は堅調に推移。円売り一色の展開となっている。
ドル円は150円台後半での取引。東京朝方の149.03近辺を安値に日銀決定会合の結果発表に向けてじり高の動きとなった。日銀はYCCの柔軟化を発表、長期債利回りを1%で厳格にとどめる方針から、1%を目途としてある程度上回ることを許容する姿勢に転換した。ドル円は150円台に乗せた。さらに植田日銀総裁会見でも、従来からの緩和継続姿勢の堅持が印象付けられた。財務省は9月27日から10月27日までの介入実績をゼロと公表。ドル円は一時150.76近辺まで高値を伸ばし、その後も高止まりしている。
ユーロドルは1.06台後半での取引。東京市場ではやや上値が重く、午後には1.0591近辺まで軟化した。その後は米債利回りの低下とともに次第に買いが勢いづいた。ユーロ円の上伸とともにロンドン時間には1.0675近辺に高値を更新。ユーロ圏のGDP速報値や消費者物価速報がやや弱含んだことで上昇が鈍る場面もあったが、足元では底堅く推移している。ユーロ円はドル円とともに買われ、東京午前の158円台前半からロンドン午前には160.85近辺まで高値を伸ばした。2008年8月以来の高値水準となっている。対ポンドでもユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.21台後半での取引。ユーロドルとともに買われ、1.21台前半から一時1.22ちょうど付近まで上昇。ポンド円は181円台前半から183.84近辺まで上伸。対ユーロではやや上値が重く、ユーロポンドは0.8720台から0.8750台まで一時上昇した。日銀の緩和継続で改めて日英金利差がポンドを下支えした面も指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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