FX/為替「ドル/円、続伸への期待と介入警戒が入り混じる」 外為どっとコム トゥデイ 2023年8月28日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月28日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村 勉
目次
▼25日(金)の為替相場
(1):日経平均の大幅安で円買い優勢
(2):中国住宅ローン規制緩和報道で豪ドル買い
(3):ドル円 パウエルFRB議長講演を受けて年初来高値更新
(4):ダウ平均の上昇を受けてクロス円日通し高値更新
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値が重くなる可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(金)の為替相場
期間:25日(金)午前6時10分~26日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日経平均の大幅安で円買い優勢
「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え追加利上げに対して前向きな姿勢を示すとの見方から、仲値公示後もドル買いの流れが続き一時146.21円まで上伸した。しかし、その後日経平均株価の大幅安を背景にクロス円を中心にリスク回避の円買いが強まり、ドル/円も連れて上げ幅を縮小した。
(2):中国住宅ローン規制緩和報道で豪ドル買い
中国が住宅ローン規制緩和に関する全国的な指針を公表したことで、元高が進むと同時に豪ドルが買われた。ただし、豪ドルは日本株の大幅下落もあり上値は限定的だった。
(3):ドル/円 パウエルFRB議長講演を受けて年初来高値更新
米8月ミシガン大消費者態度指数・改定値が速報値から下振れたことでドル売りが強まり一時145.71円前後と日通し安値を付けた。直後にパウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で「追加利上げの是非は慎重に進めていく」としながら、「必要なら追加利上げの準備がある」、「インフレが目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで政策を景気抑制的な水準で維持する」などと示した。これらの発言を受けて米金利が上昇に転じると、ドル/円は146.63円まで上値を伸ばし年初来高値を更新した。なお、市場が注目していた中立金利に関しては「確実に特定することは出来ない」と述べるに留め深入りはしなかった。
(4):ダウ平均の上昇を受けてクロス円日通し高値更新
ダウ平均が300ドル超高まで上昇するとリスクオンの動きから円売りが強まり、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円は日通し高値を付けた。ドル/円はドルストレートでは弱含んでいたことで上値は限定的となった。
25日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値が重くなる可能性も
25日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。米8月ミシガン大消費者態度指数・改定値が速報値から下方修正されると145.71円前後まで急低下する場面も見られたが、同指数の構成項目でもある期待インフレ率が上方修正されたことですぐに買い戻された。
市場の注目を集めていたジャクソンホール会議の講演でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は条件付きながらも追加利上げに含みを持たせた。 これにより、FRBによる金融引き締めが長期化するとの見方が強まると、146.63円前後まで上伸し年初来高値を更新した。
本日のドル/円は日米金融政策の方向性の違いから底堅い動きが予想される一方で、8月に入り146円台では本邦当局による円買い介入への警戒感が上値を抑えてきたことから、上値が重くなる可能性も考えられる。
今週は31日に米7月PCEデフレーター、1日に米8月雇用統計が控えている。週後半に向けて徐々に動意が鈍る展開が見込まれる。
注目の経済指標:豪小売売上高
注目のイベント:バーFRB副議長講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局「ストックボイス」へのレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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