【本日の見通し】ドル円、クロス円は堅調地合いを維持も、上値追いにやや慎重
【本日の見通し】ドル円、クロス円は堅調地合いを維持も、上値追いにやや慎重
昨日の海外市場でドル円は131円台後半まで上昇。今朝は131円台半ば前後での推移と、堅調地合いを維持している。ただ、132円台を一気にトライして上を試すだけの勢いは今のところ見られていない。米国、欧州の当局による積極対応もあり、10日の米SVB破綻をきっかけとした金融不安に対する警戒感が一服している。週末にも米当局が追加の銀行支援を拡充する方針であることが報じられるなど、今後も当局対応が進むと期待される中、リスク回避の円買いが落ち着いた。
ただ、これまでのような積極的な引き締め姿勢の継続を見込む動きは見られず。米国・欧州の金融政策は大きな転換を迎えそう。短期金利市場では先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%(4.50-4.75%→4.75-5.00%)で利上げが打ち止めになるとの見通しが大勢となっている。また、FOMCでパウエル議長が否定したにもかかわらず、年内の利下げを織り込んでおり、時期としても7月にははじまるとかなり早期での利下げ開始を見込む動きとなっている。SVB破綻までは6月までの利上げ継続、利上げを打ち止める水準(ターミナルレート)は5.50-5.75%が見込まれていた。
こうした状況の変化からドルの上値をトライする勢いが抑えられている。
今日は131円台での推移を中心に、基本的にはしっかりの展開が期待されるが、大きな動きにはなりにくい。新規材料待ちの感がある。クロス円はポンドドルやユーロドルでの買いが期待される分、ドル円よりは上値を試しやすいが、昨日上昇した後だけに、こちらも少し慎重な動きが出そう。
なお、金融機関がらみの報道で何か悪材料が出ると、一気の売りとなる可能性がある点には注意したい。依然として市場はやや神経質に状況を見極めようとしている。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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