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為替相場まとめ12月12日から12月16日の週

為替 

 12日からの週は、主要中銀の金融政策会合が相次いだ。米国、英国、欧州、スイスなど。いずれも50bpの利上げを発表している。ただ、来年に向けたタカ派度はかなりまちまちなものとなってきそうだ。米国はターミナルレート水準の見通しを5%台に引き上げてきた。ただ、市場での織り込みは5%を下回っており、今週発表された米CPIは予想以上の伸び鈍化を反映している。ドル相場は売買が交錯しており、方向性が定まらず。英中銀は利上げ幅に関する各委員の票が割れた。9名中で2名の委員が据え置きを主張したことがポンド売りを誘った。ECBはインフレ見通しを引き上げ、ラガルド総裁からは今後の50bpペース利上げ継続の可能性が示唆された。ユーロ買いの動きが広がった。スイス中銀も追加利上げの可能性を示唆した。日銀に関しては、新体制で来年中にも金融政策の点検・検証行う可能性、との一部報道に円買いの反応を見せる場面があった。ドル指数は下げ一服となったが、ここ2か月間の低下の流れには目立った変化はみられていない。


(12日)
 東京市場は、ドル買いが優勢。先週末の米生産者物価指数が予想を上回る伸びを示し、ドルが買われた流れが継続している。ドル円は136円台前半でサポートされると、先週末の高値を上回り午前中に137円台に乗せた。仲値にかけて本邦実需筋からドル買いが入っていた。136.80付近へとやや調整売りも入ったが、午後には137.13近辺に高値を伸ばしている。ユーロドルは朝方に1.0540付近まで小高く推移も、その後はドル買いに押されて1.0506近辺まで安値を広げた。先週末安値をわずかに更新している。ドル相場主導の展開のなかで、ユーロ円は方向が定まらず。143円台後半から144円台前半で振幅した。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。先週末は米生産者物価指数やミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を上回ったことを受けて、ドル買いの動きが広がった。しかし、週明けのロンドン市場では米債利回りの低下とともにドルが売られた。欧州株や米株先物は売りが先行も次第に底堅さを示している。明日の米消費者物価指数の発表を控えて、調整的な動きに。ドル売りが顕著なのがユーロやポンドといった欧州通貨。ユーロドルは1.05台前半から後半へ、ポンドドルは1.22台前半から1.23手前まで上昇。先週末の下げを解消する動き。一方、ドル円は137円台が重くなり136.60台へと軟化。ただ、欧州通貨と比較すると値幅は限定的。クロス円は買われており、ユーロ円は144円台乗せ、ポンド円は167円台前半から後半へと水準を上げている。10月の英GDPが前月比+0.5%と前回の-0.6%から回復したが、ポンド相場独自の値動きはみられていない。また、ハント英財務相は、インフレがピークに達したのかどうかはわからない、景気が回復する前に一段と悪化する公算高い、と英BBCで語った。

 NY市場では、ドル円が堅調。一本調子で買われて137円台後半に上昇した。米株式市場に買い戻しが強まったことや、午後の米10年債入札結果で米国債利回りが上昇したことがドル円を押し上げたようだ。円安の動きも支援した。ユーロドルは底堅く推移、1.05ドル台に高止まりしている。ポンドドルは1.22台での推移。1.23台を何度か試しているが、いまのところは慎重なようだ。明日の米消費者物価指数、週央からの米FOMC、英中銀、ECB理事会などの政策金利発表を控えて、各通貨がまちまちの動きを示していた。

(13日)
 東京市場では、ドル円が一時138円に迫った。朝方には137.50割れへと下げたが、その後はすぐに前日からのドル買いの流れに回帰した。前日海外市場での高値を上回ると137.90近辺に高値を伸ばした。売買が交錯したあと、午後には137.97近辺まで上昇。ただ、138円手前の売りに押されて137.50台に上昇一服した。ユーロ円もしっかりで、朝方に145.30台まで上昇。その後は少し調整も145円台を維持している。ユーロドルは1.0530台から1.0550超え水準での揉み合い。前日からのドル高水準を維持した。

 ロンドン市場は、方向感に欠ける取引。NY朝方に発表される米消費者物価指数の内容を見極めたいとのムードが強い。米債利回りも方向性をみせず。欧州株や米株先物・時間外取引は前日の米株高を受けて底堅く推移。ドル円は137.30近辺まで下げたあとは137.80近辺まで反発。ユーロドルは1.0560近辺まで上昇したあとは、1.0530近辺へと軟化。ポンドドルは1.23台に乗せる場面があったが、上値は重く1.2250割れ水準まで一時下落。クロス円はユーロ円が145円挟み、ポンド円は168.50付近から169円台乗せで下に往って来い。朝方に発表された英雇用統計は雇用増、賃金上昇とポンド買い材料ではあったが、買いは続かなかった。英中銀金融安定化報告では、来年の金融圧力の高まりを警戒も、金融危機時よりはしっかりとした状況であるとした。独ZEW景況感指数は前回から改善したが、10カ月連続でのマイナス圏だった。

 NY市場では、ドル売りが強まった。米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、インフレの鈍化傾向が続いていることが示されたことに反応した。総合指数が前年比7.1%、コア指数が6.0%と伴に前回から鈍化し、予想も下回った。FRBは明日のFOMCで0.50%ポイントに利上げ幅を縮小することが見込まれているが、その見方を正当化する内容ではあった。米国債利回りが急低下し、為替市場ではドルが急落。ドル円は発表の137円台から一気に134円台に一時急落した。ユーロドルはこれまでレジスタンスとなっていた1.06ちょうどを突破して大台乗せ。ポンドドルは一時1.24台半ばまで上げ幅を拡大した。米CPIを受けて市場にリスク選好の雰囲気も広がっており、景気に敏感なポンドのフォローとなる面も指摘された。
 
(14日)
 東京市場は、ドル売りが一服。前日の米CPIが予想を下回ったことを受けたドル売りにやや調整が入った。ドル円は早朝に135.74近辺に下げ渋ったあとは東京時間に入ると米債利回り低下とともに135.29近辺まで反落。午後には135.50を挟んだ揉み合いに落ち着いた。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.2350を軸とした上下動。いずれも前日からのドル安圏でのレンジ取引に終始した。米FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが広がった。

 ロンドン市場は、ドル売りが再燃。東京市場では米FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが広がったが、ロンドン時間に入ると再びドル売りが入った。なかでもドル円の下げが目立っている。日銀が新体制で来年中にも金融政策の点検・検証行う可能性との報道に反応し、135円台前半から一時134.54近辺まで急落、前日安値を下回った。クロス円も総じて円買いに押されている。一方、ユーロドルやポンドドルなどは日銀関連報道の前からじり高の動きとなっており、ドル売り圧力も根強い。ユーロドルは1.06台前半での揉み合いを上放れると1.0672近辺に高値を更新、前日高値にほぼ並んだ。ポンドドルも1.23台半ばでの取引から1.2404近辺まで買われている。朝方に発表された英消費者物価指数は前年比+10.7%と前回や予想値を下回ったが、ポンド売りは一時的だった。また、あすのECB理事会を控えて関係者から今後3年間はインフレ率が目標の2%を上回って推移するとの新たな見通しが示唆されていた。また、QT計画の概略についても発表されるという。

 NY市場は、目まぐるしく振幅した。注目の米FOMCでは、政策金利は予想通りに50bpの利上げとなったが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)は2023年末の中央値が5.125%、24年末が4.125%となった。ターミナルレート(最終到達点)は23年に5.00-5.25%が示唆され、23年の利下げは想定していないことが示唆された格好。前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて、市場はターミナルレートの予想を5%以下に引き下げていたが、それよりも高い水準。その後のパウエルFRB議長の会見でも「しばらくは制限的な政策スタンスが必要。23年の金利見通しがターミナルレートを意味する。ターミナルレートの予想を引き上げないと確証持って言えない」と述べた。「利上げのスピードはもはや重要ではない」とも言及している。今回のFOMCは全体的に市場の緩和期待に反するタカ派な印象ではあった。為替市場はFOMCの結果とパウエルFRB議長の会見が始まった直後はドル買いの動きが強まったものの、終盤に急速に伸び悩んでいる。ドル円は136円付近まで急伸後、一時134円台に急反落、その後は135円台前半で売買交錯。ユーロドルは1.06台前半まで下落も、1.06台後半に戻した。ポンドドルは1.23台半ばに下落後、1.24台に戻している。

(15日)
 東京市場は、方向性の定まらない動き。ドル円は朝方に135.24近辺まで弱含む場面があったが、その後は米10年債利回りの上昇などを背景にドル買いがやや優勢となり、午後には135.88近辺まで買われた。東京終盤にかけては135円台半ばへと伸び悩んだ。ユーロドルはドル買いに押され気味で、1.0646近辺まで下落。ポンドドルは1.2377付近まで軟化したあと、下げ渋りに。豪ドルは軟調。11月の中国小売売上高と鉱工業生産指数の冴えない結果を受けて売られ、対ドルは0.6822近辺、対円は92.57近辺まで下落した。NY原油先物の下落も重石となっていた。

 ロンドン市場は、ドル買いが広がっている。昨日の米FOMCでターミナルレート水準の見通しが引き上げられ、パウエル議長からもインフレ抑制まで利下げは行わないなどタカ派姿勢が示されていた。アジア時間には各中銀から追随利上げの動きがみられたほか、欧州でもスイスやノルウェー中銀が利上げを発表。そして、このあとには英中銀とECBが追加利上げに動くことと想定されている。欧州株や米株先物は大幅安となっており、リスク警戒ムードがドル買いにつながっている。また超緩和政策を維持する日本と米欧各国との金利差拡大観測も再燃しているようで、ドル円とともにユーロ円やポンド円も高値を伸ばしている。ドル相場は前日FOMC後の上下動からドル高方向に上抜けたことで、ドル買いが加速する面もあったようだ。ドル円は136円台乗せから136.90付近に上昇。ユーロドルは1.0606近辺、ポンドドルは1.2296近辺まで安値を広げた。その一方で、ユーロ円は145.30近辺、ポンド円は168.82近辺に高値を伸ばしている。豪ドルは対ドル、対円ともに軟調。ドル買いと円売りが交錯する中で、まちまちの動きとなっている。

 NY市場では、ドルが急伸した。米金融当局のタカ派が改めて確認されたことに加えて、米株式市場でダウ平均が一時950ドル超急落し、リスク回避のドル買い圧力となった。ドル円は一時138円台まで急上昇した。前日は、FOMCの結果とパウエル議長の会見を受けて目まぐるしい動きが見られたが、きょうは再びドル高方向へと突き抜けている。ユーロドルは上に往って来いの展開。ECB理事会とラガルド総裁の会見を受けてユーロドルは一旦買いが加速し、1.0735付近まで急上昇した。本日のECB理事会は予想以上にタカ派な印象だった。来年のインフレ見通しを上方修正した上で、追加利上げを示唆した。ただ、NY市場ではドル買いが強まり、ユーロドルは買いが一巡すると一時1.05台に急速に伸び悩んだ。ポンドドルは1.21台に急落した。英中銀金融政策委員会(MPC)では市場の予想通りに0.50%ポイントの利上げを打ち出した。ただ、委員の投票行動が3つに別れ、ベイリー総裁を含む6人が0.50%ポイントの利上げを支持。マン委員が0.75%ポイント利上げ、テンレイロ、ディングラ両委員は据え置きを主張した。ベイリー英中銀総裁は「インフレはピーク過ぎた可能性に言及したう上でリスクは上振れ」とし、議事要旨では、英経済はリセッションに入り、第4四半期は0.1%のマイナス成長を見込んでいた。FRBやECBとは逆に、ハト派な印象を強めたようだ。

(16日)
 東京市場は、ドルが売り戻された。前日のNY市場では米FOMCを再評価したドル買いが強まったが、後半には調整が入って東京市場を迎えた。東京市場ではドル売りが優勢。ドル円は昼前に136.96近辺まで下押しされた。日経平均の下落がドル円の重石となる面があった。その後は137円台前半での推移。ユーロ円は146円台後半から一時145円台に下落したあと、146円台前半に戻した。ユーロドルはドル高の調整で1.0620台から1.0660台まで買われた。来週からクリスマスシーズンで取引が閑散とすることもあり、行き過ぎた動きにはやや警戒感が出ていた。

 ロンドン市場は、ややドル買いと円買いに押されている。欧州株や米株先物・時間外取引が軟調に推移、NY原油先物は一時74ドル台割れへ下落。リスク警戒の背景には今週の一連の中銀金融政策会合でいずれも利上げ継続姿勢が示されたことがあるようだ。ポンドドルは1.22台を割り込むと一時1.2120近辺まで安値を広げた。ポンド円も167円台から166.10付近まで下落。ユーロドルは1.0650付近から1.0610近辺へ、ユーロ円は146円台割れから145.50近辺まで軟化。ドル円は137円を挟んだ揉み合いが続いており、ドル高と円高に挟まれて動きにくい状況。一連の欧州PMI速報値は予想を上回る結果が多かったものの、水準はいずれも50割れだった。英PMI速報値は製造業が悪化、非製造業が改善とまちまち。ユーロ圏消費者物価指数確報値は前年比+10.1%に小幅上方改定された。ただ、いずれの指標にも反応薄だった。

 NY市場は米株式市場の売りが続くなど、リスク回避の雰囲気は継続する中、ドル円は一時136円台前半に下落した。前日のドル円は一時138円台まで急伸していたものの、きょうは戻り売りが強まっている。21日線で蓋を被せられた格好となっており、10月からの下落基調は続いているようだ。目先は200日線が135円台半ばに来ており、下値メドとして意識される。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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