ドル買い広がる、各国利上げ動向にらんでリスク警戒 ドル円136円台後半=ロンドン為替概況
ドル買い広がる、各国利上げ動向にらんでリスク警戒 ドル円136円台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが広がっている。昨日の米FOMCでターミナルレート水準の見通しが引き上げられ、パウエル議長からもインフレ抑制まで利下げは行わないなどタカ派姿勢が示されていた。アジア時間には各中銀から追随利上げの動きがみられたほか、欧州でもスイスやノルウェー中銀が利上げを発表。そして、このあとには英中銀とECBが追加利上げに動くことと想定されている。欧州株や米株先物は大幅安となっており、リスク警戒ムードがドル買いにつながっている。また超緩和政策を維持する日本と、米欧各国との金利差拡大観測も再燃しているようで、ドル円とともにユーロ円やポンド円も高値を伸ばしている。ドル相場は前日FOMC後の上下動からドル高方向に上抜けたことで、ドル買いが加速する面もあったようだ。ドル円は136円台乗せから136.90付近に上昇。ユーロドルは1.0606近辺、ポンドドルは1.2296近辺まで安値を広げた。その一方で、ユーロ円は145.30近辺、ポンド円は168.82近辺に高値を伸ばしている。豪ドルは対ドル、対円ともに軟調。ドル買いと円売りが交錯する中で、まちまちの動きとなっている。
ドル円は136円台後半での取引。前日米FOMC後に134円台半ばから136円手前で振幅。その後東京市場では135円台でじり高の動きとなった。欧州株安などをきっかけにロンドン序盤に136円台乗せとなると買いが勢い付いて136.90付近まで買われている。
ユーロドルは1.06台前半での取引。前日米FOMC後に1.0260付近から1.07手前のレンジを形成。東京市場で軟調に推移した後、ロンドン序盤には下抜けの動きとなり、安値を1.0606近辺に広げた。その後は下げ一服も1.06台前半にとどまっている。ユーロ円は144円台半ばでの揉み合いから買われて、高値を145.30近辺に広げている。対ポンドではユーロ買い先行も、押し戻されており上に往って来いとなっている。この後のECB理事会では50bp利上げが見込まれるほか、QT計画の概略について発表される見込み。
ポンドドルは1.23台前半での取引。前日米FOMC後の1.2340台から1.2440台のレンジを下抜けると、安値を1.2296近辺まで広げた。ポンド円の買いでも反発は1.2350台までと限定的。ポンド円は堅調。168円台前半での揉み合いを上抜けると168.82近辺に高値を伸ばしている。ユーロポンドは0.86台割れ水準から0.8630付近まで買われた後は、再び0.86ちょうど近辺まで反落。方向感に欠ける動き。このあとの英MPC(金融政策委員会)では50bp利上げが見込まれている。ただ、委員らの票割れが予想されており、その偏り次第でポンド相場は神経質な反応をみせそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。