落ち着いた流れも、ややドル買い優勢
落ち着いた流れも、ややドル買い優勢
FOMCなどにらみ、積極的な動きにはならず
【東京市場】狭いレンジでもみ合い
ドル円は109円40銭前後の取引に終始した。
注目された昨日の米消費者物価指数が予想を超える強い結果となったが、その直後のドル買いは109円80銭前後までにとどまり、
その後調整が入ったことで上値トライに慎重姿勢が見られた。
一方で109円台前半では買いが出る流れが継続しており、上値を付けた後の押し目も109円30銭台までにとどまっていることで、
上下ともに動きにくい展開となった。
【ロンドン市場】ドル買いやや優勢
ドル円が109円台半ばを超え、ユーロドルに至っては1.2190台を付けて居た動きから1.2140台までのユーロ売りドル買いと
ドル買いの流れがやや強まった。
ユーロドルの1.22台の重さなどを嫌気した動き。
東京市場で1.4185を付けたポンドドルが1.4142前後までポンド安ドル高となるなど、ドルは全面高。
【NY市場】ドル円しっかり
ドル円は上値をもう一段トライ。109円84銭まで。
下値しっかり感が意識される展開。
前日の米CPI後の買いがいまいちで、その後いったん売りが出たものの
下値もしっかりとなったことで、再びのドル買いという流れ。
ユーロドルは一時1.21割れまで。。1.22台の重さがポジション調整を誘っている。
【本日の見通し】FOMCにらむ展開に
今週はFOMCをにらむ展開に。
政策金利、量的緩和ともに現状維持見込みも、物価見通しの上方修正や
ドットプロットでの2023年までの利上げを見込むメンバー増加などが期待されるところで
結果次第ではドル買いが強まる可能性も。
一方で今月発表された米雇用統計の弱さもあって、FOMCを無難に通過するとドル売りが強まる可能性も。
上下ともに可能性があるだけに、発表までは動いにくさも。
ドル円は109円台でのレンジ取引か。若干下値しっかり感が強そうで、
若干上方向のリスクが高そう。
【本日の戦略】押し目買い
デイトレはレンジ取引を意識。
109円台での回転となりそう。
FOMC前の110円超えは、何らかの材料が欲しいところ。
スウィングは押し目待ち。
109円台前半での買いを意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/11 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.33 1.2170 133.10
高値 109.84 1.2193 133.41
安値 109.32 1.2093 132.67
終値 109.66 1.2109 132.80
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《6/11 金曜日の主要株式指数》
日経 28948.73 -9.83
DOW 34479.60 +13.36
S&P 4247.44 +8.26
Nasdaq 14069.42 +49.09
FTSE 7134.06 +45.88
DAX 15693.27 +122.05
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《6/11 金曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=70.91(+0.62 +0.88%)
NY金先物8月限(COMEX)(終値)
1オンス=1879.60(-16.80 -0.89%)
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《6/11 金曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
月次GDP(4月)15:00
結果 2.3%
予想 2.4% 前回 2.1%(前月比)
鉱工業生産指数(4月)15:00
結果 -1.3%
予想 1.2% 前回 1.8%(前月比)
結果 27.5%
予想 30.5% 前回 3.6%(前年比)
製造業生産高(4月)15:00
結果 -0.3%
予想 1.5% 前回 2.1%(前月比)
結果 39.7%
予想 42.2% 前回 4.8%(前年比)
貿易収支(4月)15:00
結果 -109.58億ポンド
予想 -118.0億ポンド 前回 -117.1億ポンド(商品貿易収支)
【インド】
鉱工業生産指数(4月)21:17
結果 134.4%
予想 121.1% 前回 24.1%(22.4%から修正)(前年比)
【米国】
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(6月)23:00
結果 86.4
予想 84.2 前回 82.9
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《6/11 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ビルロワドガロー仏中銀総裁
ECBの緩和政策を維持する必要がある。
ECBはすべての経済主体に対する有利な資金調達条件を維持するために、緩和政策を維持する必要。
経済成長が見られることはいいことであるが、この状況で終わりではない。
雇用は改善しているが、十分ではない。
*独連銀
独GDP成長見通し、2021年は+3.7%(従来+3.0%)
2022年は+5.2%(従来+4.5%)
2023年は+1.7%(従来+1.8%)
独経済は第3四半期にコロナ危機前の水準に戻すだろう。
独インフレ見通し、2021年は+2.6%(従来+1.8%)
*クノット・オランダ中銀総裁
今後しばらくはマクロ経済安定のために財政政策の役割がより重要に。
ユーロ圏の協調を促進するための財政の枠組みが必要。
欧州の多くの諸国での構造改革が焦点に。
必要なときに、より大規模な刺激策を認める財政ルールを。
生産性の向上が最優先課題。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
インフレが急速に3%を超える可能性あれば、戦略レビューが必要に。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
設備稼働率(4月)13:30
予想 N/A 前回 5.6%(前月比)
鉱工業生産・確報値(4月)13:30
予想 N/A 前回 2.5%(前月比)
予想 N/A 前回 15.4%(前年比)
【インド】
卸売物価指数(5月)15:30
予想 13.35% 前回 10.49%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)18:00
予想 0.4% 前回 0.1%(前月比)
予想 37.4% 前回 10.9%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員