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FOMC議事録を受けドル買い戻し強まる ドル円は109円台回復=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入ってドル円は109円台を回復している。午後になって公表されたFOMC議事録で、この先の会合で資産購入ペース縮小の議論開始予想が一部のFOMCメンバーから出ていたことが明らかとなり、やや驚きをもって敏感に反応している模様。全体的にはインフレは一時的に上昇した後に緩むとみており、慎重姿勢に変化はなさそうだが、このところドル売りが続いていただけに、利益確定の動きが活発化しているものと思われる。

 前半のドル円は売りが強まり108.60円近辺まで一時下げ幅を拡大した。本日の21日線は108.85円付近に来ているが、その水準を下回る動きが見られている。きょうはビットコインが急落しているほか、米株や原油も売りが強まり、市場全体にリスク回避の雰囲気が広がったことからドル円も圧迫された。

 ドル自体はロンドン時間に上昇していたものの、NY時間に入ってその上げを失う展開。市場ではインフレ調整後の米実質金利がマイナス圏で持続的に推移していることが、今後数カ月ドルを圧迫し続ける可能性があるとの見方が出ている。米国債の実質利回りを示す米インフレ連動債も、10年物でマイナス0.9%程度で推移しており、3月中旬以降再びマイナス幅を拡大。

 FRBはカナダ中銀やノルウェー中銀などとは対照的に、インフレ上昇に急いで対応する気配を見せていない。そのような中で、この夏の欧州および世界経済の回復見通しはドルにとって圧迫要因になるという。

 ユーロドルは前半は1.22ドル台で推移していたものの、FOMC議事録を受けて利益確定売りが強まり、再び1.21ドル台に下落している。

 ただ、欧州債利回りが上昇しており、ユーロは下値をサポートされている。今後相次ぐ入札による供給増加や経済再開に伴うインフレ圧力の高まりが背景として指摘されている。ドイツ10年債利回りは2年ぶりの高水準に上昇し、2年債利回りも8月以来の高水準に達した。この日実施されたドイツ10年債の入札も軟調だった。欧州各国は制限措置を緩和しつつあり、イタリアは今後数週間で外出禁止を解除し、ドイツも行動制限を緩和しつつある。この前向きな展開がユーロ圏経済回復への自信を深め、それに伴うユーロ債利回り上昇がユーロをサポートしているようだ。

 ポンドドルも午後になって下げが加速し、一時1.41ドルちょうど付近まで下げ幅を広げた。本日はビットコインの急落をきっかけに市場全体にリスク回避の雰囲気が強まる中で、景気敏感通貨となっているポンドは利益確定売りに押された模様。

 英市場でもインフレ期待が急激に上昇しており、インフレ期待を示す英国債のブレークイーブンレートは過去20年間の上限に接近している。ただ、英中銀はそれを過度に懸念することはなく、FRB同様にインフレは一時的上昇とのスタンスを強調している。実際にインフレの影響を除いた英国債の実質利回りは、力強い成長期待と消費者物価(CPI)の上昇に直面しても、金利に関する英中銀のガイダンスが名目利回りを抑制し続けており、米国債同様にマイナスのままで推移している。

 英中銀は先日の英中銀金融政策委員会(MPC)で債券購入ペースを減速させていたが、出口戦略の着手ではなく、利上げに関してもまだテーブルの上にはないことを強調していたが、そのスタンスにはまだ変化はないものと思われる。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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