「ドル/円、中立ゾーンで推移」 外為トゥデイ 2020年8月21日号
目次
▼20日(木)の為替相場
(1):ECB議事録 緊急購入プログラムに慎重論も
(2):米新規失業保険申請、再び100万件台へ
(3):米中貿易協議再開期待で米株高・クロス円上昇
20日(木)の為替相場
期間:20日(木)午前6時10分~21日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ECB議事録 緊急購入プログラムに慎重論も
欧州中銀(ECB)は7月16日の理事会の議事録を公表。1兆3500億ユーロ規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)について、一部の当局者が「購入額は目標というよりも、上限と捉えるべきだ」と主張。これに対して他の多くのメンバーは「全額を使う必要があるというのが現在の想定だ」と反論していた事がわかった。その上で、ECBは「9月の会合では、金融政策の姿勢と政策ツールを改めて見直す状況がより良好になっているだろう」との見解を示した。
(2):米新規失業保険申請、再び100万件台へ
米新規失業保険申請件数は110.6万件と、市場予想(92.0万件)に反して前週(97.1万件)から増加。米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数も17.2に悪化した(予想:20.8、前回:24.1)。これらを受けて一時ドル売りが強まった。ただ、直後にはユーロ/ドルの急落を受けてドル買いが優勢となった。実需の大口ユーロ売り・ドル買いが入ったとの観測が出ていた。ユーロ/円はユーロ/ドルの下落により125.08円前後まで下落した一方、ドル/円は一時106円台を回復した。
(3):米中貿易協議再開期待で米株高・クロス円上昇
米経済指標の結果を嫌気して安寄りしていた米国株がプラス圏に切り返す中、クロス円が上昇。ドル/円は、ユーロ/ドルなどストレートドルでのドル売りの影響で弱含んだ。中国商務省が貿易合意に関する米国との協議を「近く開催する」と発表した事が市場心理の改善に寄与した模様。なお、ハイテク株中心のナスダック総合指数は引けにかけて一段高となり、終値ベースで過去最高値を更新した。
本文
20日(木)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
ドル/円、中立ゾーンで推移
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%下落。106.20円台まで強含む場面もあったが反発基調は続かなかった。NY市場では、米長期金利の低下とともに105.70円台へと反落した。もっとも、ボリンジャーバンドのセンターラインである20日移動平均線(105.83円前後)に収れんしており、中立ゾーンでの値動きだったと言える。本日は、週末を控えた金曜日の上に手掛かり材料にも乏しい。19日の急反発などから短期筋のポジションには大きな偏りはないと見られ、ポジション調整の動きも限られよう。20日移動平均線付近の中立ゾーンでの値動きが続きそうだ。
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