明日の米雇用統計を控え、ドル買い戻しも一服=NY為替概況
明日の米雇用統計を控え、ドル買い戻しも一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は朝方に一時144.20円付近に上昇したものの、この日のADP雇用統計で雇用者数が予想外の減少となりドル安の反応から、ドル円も143円台半ばに一気に下落した。その後、買い戻しが見られたものの144円台での上値抵抗もあり、143円台に再び値を落とす展開。明日の米雇用統計の発表を控え、ドル買い戻しも一服していたようだ。
本日144円台半ばに来ている21日線が上値抵抗となっているようで、その下での推移が続いている。依然としてドルショート・円ロングが積み上がっており、ドル円は下値での買い戻しも出るようだが、積極的な動きまでは見られていない。
ドルは下げこそ一服しているものの、3年ぶりの安値圏に留まっている。今後さらに下落の可能性があるとの指摘も少なくない。米国の例外主義という見方は依然として後退しており、政策の不透明さと一貫性の欠如を受けて、国際的な投資家は米国から資本を移し続けているとの指摘も出ている。
ユーロドルはNY時間に入って買い戻しの動きが出て、1.18ドル付近まで下げ渋った。ドル安が一服する中、ユーロドルは1.17ドル台半ばに下落していた。上昇トレンドは続いており、大きな節目の1.20ドルに向けた流れが続いている。
ストラテジストは、ユーロ高はECBによる追加利下げを促す可能性があるとの指摘が出ている。ECBは利下げサイクルの終了が近いことを示唆しているが、ユーロが急騰すれば、追加利下げを支持する動きが高まる可能性があるという。また、ユーロ高は欧州企業にとって逆風となり、「欧州企業はすでに関税関連の不透明感にさらされている」と警告している。
同ストラテジストはユーロドルが今後12カ月以内に1.20ドルに上昇すると予測しており、従来の18カ月以内という見通しから前倒ししている。
ポンドドルはNY時間に入って下げ渋ったものの、一時1.3565ドル付近まで大幅に下落した。経済のファンダメンタルズというよりは、社会保障改革を進めているスターマー政権内の政治的な要因がポンドを押し下げている。
スターマー英首相は2日、下院の質疑でリーブス財務相への全面的な支持について明言を避けたことで、リーブス財務相の地位を巡る臆測が急速に高まった。スターマー首相の労働党政権は、公約に掲げていた社会保障改革の重要な部分を撤回。これによりリーブス財務相の財政計画は大きく狂わされている。
首相はこれまで、リーブス財務相は次の総選挙まで財務相として勤め上げると語っていたが、本日の議会でこの誓いを繰り返すよう求められた首相は回答を避けた。リーブス財務相の去就が注目されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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