ドル円が110円に接近、ポンドは利下げ観測で軟調=ロンドン為替概況
ドル円が110円に接近、ポンドは利下げ観測で軟調=ロンドン為替概況
13日のロンドン市場は、ドル買いの動きが優勢。ドル円とポンドドルがけん引している。ドル円にとっては米中通商協議のフェーズ1合意署名への期待が中国株や欧州株などを押し上げていることが下支え。加えて、直近高値を上抜けたことでショートカバーの動きも加わった。109.90台へと買われ、昨年5月末以来の高値水準となり、110円の大台に接近している。一方で、ポンドドルは1.30台前半から1.29台後半へと下落している。次回の英中銀会合での利下げ観測が高まっていることが背景。先週末にはブリハ英中銀政策委員が、利下げの可能性を示唆した。さらに、この日発表された11月の英鉱工業生産、製造業生産高、月次GDPなどがいずれも弱い結果だったこともポンド売りを誘った。ポンド円は一時142.50割れまで下押しされたが、ドル円の上昇もあって下げは一服している。ユーロドルは1.11台前半で小安く、ユーロ円は122円台乗せと堅調。ユーロ関連の材料は特段でていない。
ドル円は109円台後半での取引。東京勢不在のアジア市場では109.60台での揉み合いが続いたが、ロンドン市場では買いが強まっている。昨年12月高値109.73レベルを上抜けると、ストップ注文を巻き込みながら109.92レベルまで上伸。昨年5月末以来の高値水準となり、110円台に接近している。15日に予定されている米中通商協議のフェーズ1合意署名への期待で、週明けの中国株や米株先物、欧州株が買われており、ドル円の買いを誘っている。
ユーロドルは1.11台前半での取引。序盤に1.1136レベルまで買われたあとは1.1113レベルまで反落と方向性に乏しい展開。ユーロ独自の材料はでていない。ユーロ円はドル円とともに買われており、122円台乗せから122.31レベルまで一時買われた。独卸売物価指数は予想を上回る結果だったが、前月比横ばい、前年比-1.3%と力強さは見られず。
ポンドドルは1.29台後半での取引。週明けのオセアニア市場からは100ポイント超の大幅下落となっている。週末にブリハ英中銀政策委員が、英国内の成長に関するデータに早期かつ著しい改善が見られない限り、今月の政策会合で利下げの票を投じる、との考えを示したことが背景。前週末終値水準の1.3060台から1.30台前半へと下落して取引を開始、ロンドン市場ではさらに下落。1.30台割れから1.2961レベルまで安値を広げた。ポンド円は143円付近が重く、ロンドン序盤には142.37レベルまで下落、その後も上値重く揉み合っている。11月の英鉱工業生産、製造業生産高や月次GDPなどがいずれも弱い結果となり、ポンド売りを後押しした面もあった。
MINKABU PRESS 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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